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2022.10.23 08:34

旅するチョウふわり アサギマダラ飛来 高知市春野町 

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フジバカマの上を優雅に舞うアサギマダラ(高知市春野町弘岡中)

フジバカマの上を優雅に舞うアサギマダラ(高知市春野町弘岡中)

 「旅するチョウ」として知られるアサギマダラが、高知市春野町弘岡中の公園に飛来し、羽を休めていた。地元住民らが植えたフジバカマの花の周りをひーら、ひーら。優雅な舞を見せている。

 アサギマダラは、1980年代に長距離移動することが分かった大型のチョウ。日本鱗翅(りんし)学会四国支部によると、春に台湾や沖縄から本州に飛来し産卵する。寿命が3~4カ月のため、親は息絶えるが子世代が秋に南下して産卵。孫世代が再び北上するという。

 鳥などに比べ、はるかに小さいため調査が困難なアサギマダラ。謎の多い生態を解き明かすため、羽に採取地をマーキングして放す活動が全国的に行われている。最長記録は和歌山県と本県を経由し、香港で採取された個体で直線距離にして2420キロに及ぶ。

 公園は、隣接する荒倉神社が所有する元田んぼ。耕作をやめてから荒れ地になっていたが、氏子有志でつくる崇敬会が2015年から整備し、モミジや桜、四季の草花を植えてきた。アサギマダラが好むフジバカマは、4年前に300株ほど植えた。浜田善彦会長(77)によると、「飛来するのは例年10月上旬から1カ月ほど。今年は例年より遅いのか、まだ少ない」そう。ピーク時には100匹ほどが群れ飛ぶという。

 長旅のせいか羽が欠けた個体も見られ、浜田さんは「遠くからよく来てくれた。ゆっくり休んで、また元気に飛んでいってほしい」。暖かい南の地へ。チョウの旅はまだまだ続く。(森本敦士)

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