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2022.10.22 08:33

ロックカフェ「ぽおる」ママ、田中真由美さんを追悼 常連客ら感謝込め10/23に高知市で音楽イベント

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ロック好きが集うぽおるを営んだ田中真由美さん=前列右から2番目の黄色のTシャツ(1997年ごろ、旭駅前町の店内で=提供写真)

ロック好きが集うぽおるを営んだ田中真由美さん=前列右から2番目の黄色のTシャツ(1997年ごろ、旭駅前町の店内で=提供写真)

 高知市内で2019年まで約30年間続いたロックカフェ「ぽおる」のママ、田中真由美さん(享年60)を追悼する音楽イベントが23日、同市桟橋通5丁目の「BAY5 SQUARE」で開かれる。1970~80年代のヘビメタ、ハードロック好きが通った名物店。常連客たちが1日限りのコピーバンドを結成し、田中さんへの感謝を込めて盛り上げる。

 カフェは92年、田中さんが34歳で旭駅前に開店。2004年から南はりまや町などに移転し、14年から魚の棚商店街で営業した。

ぽおるの常連客らが開いたコピーバンドのイベント「メタル祭」(2005年10月、「BAY5 SQUARE」=飯野浩和撮影)

ぽおるの常連客らが開いたコピーバンドのイベント「メタル祭」(2005年10月、「BAY5 SQUARE」=飯野浩和撮影)

 ぽおるの名は、田中さんが愛してやまないKISSのボーカル兼ギター、ポール・スタンレーから。店内はロックバンドのポスターや等身大人形、大量のCDが置かれ、客たちはミュージックビデオや音楽を楽しみながらロック談議に花を咲かせた。ロングヘアの客には「ロン毛割」。ミュージシャンの名前をもじった「地獄のジーンカレー」や「アイアン・メイどん」などのメニューも人気を博し、県外からもバンドマンが訪れた。

 田中さんはママと呼ばれ、パワフルな人柄が人を引き寄せた。大学のバンド時代から通っていた会社員の井上多恵さん(46)は、「学生時代、ライブにも来てくれて、とにかく世話好き。オールナイトで客と一緒に騒いだり、人生を話し合ったり。店に行くと青春の続きを過ごしているみたいだった」と振り返る。

 そうして集まった常連客が02年、コピーバンドだけの音楽イベントを始めた。経営が厳しくなって悩むママを元気づけようとしたのがきっかけで、年2回、約15年間続く人気企画に。「技術は二の次」で、ロン毛のかつらや化粧などで本物さながらに仮装したり、バンドをかじった人や辞めた人たちが1日限りのバンドを組んだりと盛り上がり、多い時で250人がライブハウスに集まった。

 田中さんは心臓発作で3年前に亡くなり、店は閉店。常連客たちは追悼ライブを企画していたが、新型コロナの影響で延期になり、今月開催を決めた。

 23日は、「ぽおるママ感謝祭」と題し、イベントの常連だった4組ほか、ヘビメタバンド「SABER TIGER」の下山武徳さんも出演。田中さんが好きだったアーチ・エネミーやオジー・オズボーンなどのコピーを披露する。

 実行委員長の吉松剛さん(51)は「イベントまで開いて音楽を楽しめたのは、人をつないでくれたママのおかげ。店に来たことがない人でも同じ音楽熱を共有し、盛り上がりたい」と話している。

 午後1時から。問い合わせは吉松さん(090・4337・8588)へ。(高井美咲)

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