2022.10.20 08:31
拓本にささげた半世紀、井上拓歩没後10年展 いの町で10/30まで
中国山東省の岩崖から採拓した文字を表装した「色即是空」
2012年に83歳で亡くなった須崎市出身の拓本家、井上拓歩(本名・雄三治)の没後10年をしのぶ「孤高の拓本家―井上拓歩展」が吾川郡いの町の紙の博物館で開かれている。中国の岩崖に刻まれた仏教経文を土佐和紙に写し取った拓本など、展示50点から拓本にささげた半世紀をたどる。30日まで。
1929年生まれ。私塾経営の傍ら県内外の文学碑などを訪ねるうちその美しさに引かれ、拓本を取るように。70年代半ばから中国に通い続け92年、岩に彫られた仏教経文の採拓許可を外国人として初めて得る。2年ほどかけ3千字以上を写し取ったほか、インドネシア、タイ、インド、メキシコなどでも採拓。展覧会を九州国立博物館など県内外で開催した。
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