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2022.10.23 05:00

矢田部良吉博士との「支吾」(上) シン・マキノ伝【20】=第2部= 田中純子(牧野記念庭園学芸員)

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20代の牧野富太郎(東京にて撮影、個人蔵)

20代の牧野富太郎(東京にて撮影、個人蔵)

 このタイトルは、自叙伝にある見出しからそのまま採用したものである。前回出てきた牧野博士が使う「莫逆(ばくぎゃく)の友」もこの「支吾(しご)」も私には知らない言葉であった。辞書を引くと、前者は、気持ちがぴったりと合った、争うことのない友人の意味で、後者は、一つに支える、支持すること、もう一つに食い違う、逆らうことを意味すると分かった。矢田部に牧野が楯突いたということになろうか。

 植物学の研究もそれなりに順調に進み、次回以降で取り上げるが所帯を持つようになった牧野に、突然、植物学教室の教授である矢田部良吉から、教室にある書物も標本も見せないと申し渡された。理由は、牧野とは別に日本植物志を出版するからということであった。確かに大学の学生ではないけれども、いろいろな標本や書物を見ることができるのは牧野にとって大きなプラスであったはずである。そこへである、まさに寝耳に水としか…

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