2022.09.25 10:32
「心不全」について【こうち医療ウォッチ】南国中央病院
南国中央病院 循環器内科 生藤 博行さん
心不全の原因疾患には、心筋梗塞、心臓弁膜症、高血圧、心筋症、心筋炎、先天性心疾患等々があります。
初期の症状は、それまで何ともなかった歩行などの労作で、息切れ、動悸(どうき)、倦怠(けんたい)感等を自覚します。症状は増悪し、全身浮腫が出現します。そのうち、安静時にも倦怠感や呼吸困難感を自覚するようになります。さらに悪化すると、仰臥位(ぎょうがい)で眠れなくなります。夜中に呼吸困難で飛び起き、机などに突っ伏してでなければ息苦しくていられなくなります。これを起座呼吸と呼んでいます。ピンクの泡のような泡沫(ほうまつ)状という喀痰(かくたん)が出ることもあります。これを我慢すると、低酸素血症から意識が低下してきます。これは急性心不全の極期の症状で、直ちに入院治療を行わなければ命に関わります。
近年、心不全に対する薬物療法は目覚ましい進展を遂げました。また、原因疾患である心筋梗塞や心臓弁膜症等の治療も低侵襲かつ高度となり、相乗効果で心不全の死亡率は急速に低下しています。心不全の兆候を見逃さず、気になる時は早めに循環器科にご相談ください。
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