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2022.09.30 08:00

地空 子どもの頭上 報道部・新田祐也

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 高知市の介良小学校で昨年7月、校舎3階のひさしからコンクリート片がはがれ落ちた。直後の緊急点検で、ひさしや外壁に151の危険な亀裂などを確認。その後の対応が不十分だったのだろう。今年7月にも給食室の天井板を突き破ってコンクリート片が落下した。

 平均的なコンクリートの重さは1立方メートル当たり2・3トン。給食室に落下したのは縦90センチ横60センチ厚さ2センチだから、ざっと25キロだった計算になる。幸いけが人はいなかったものの、あわや大事故だった。

 高知市教委から校舎の法定点検を請け負った業者は「3年に1度の法定点検は下から見るだけ。精密検査をすれば、どの学校でも100ぐらいの不具合が見つかる可能性はある」と淡々と話した。市教委が管理する市内の学校施設の約6割は築30年以上。介良小は築44年と比較的古いが、築60年、80年を超える校舎もある。

 学校での小学1年生の年間授業時間は850時間、6年生は1015時間に及ぶ。子どもたちの頭上に、いつ落ちるか分からないコンクリートが潜んでいると考えるとぞっとする。

 市教委は取材に対し、「子どもの安全を守る責任がある」と強調した。一方で「市の財政事情」で他校での緊急検査は困難だと説明。2度の落下事故があったにもかかわらず、「今後も法定点検をもって不具合の発見に充てる」とした。

 高知市は新型コロナ下の経済対策やマイナンバー普及のための商品券配布には熱心だが、校舎の点検や修繕に充てる予算はないのか。学校は教育の場である以前に、子どもにとって安全な場所であってほしい。

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