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2022.09.21 08:00

小社会 美しいあきらめ

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 「さようなら」とは「左様ならば」をつづめた言葉だという。そうであるなら、もはや仕方ない。そうやって私たちは、大きな別れや小さな別れに、大きな声や小さな声で「さようなら」と言う。

 大西洋横断単独無着陸飛行を成功させたリンドバーグの妻であるアン・モロー・リンドバーグは「さようなら」の語源を日本滞在中に知った。アンは「さようなら」とは「そうならねばならぬのなら」と教えられた。彼女は書き残した。「なんという美しいあきらめの表現だろう」

 そして日本と西洋の別れの言葉を比べる。「英語のグッドバイは、神がなんじとともにあれ、だろうし、フランス語のアディユも、神のみもとでの再会を期している。それなのに、この国の人々は、別れにのぞんで、そうならねばならぬのなら、とあきらめの言葉を口にするのだ」

 これらのことはアンソロジー「少女たちの戦争」に収められている須賀敦子さんのエッセーにある。

 さようならの意味を日本で知った後、リンドバーグ夫妻は1歳の長男が部屋から連れ去られて惨殺されるという悲劇に見舞われた。この文章をアンが書いたのは愛息を不条理に亡くしてからのことだ。

 須賀さんは思いやる。「神とともに」から「そうならねばならぬのなら」にアンの気持ちが変わったのは、この出来事を境にしているのでは、と。「さようなら」は、未来へ歩き始めるための言葉でもある。


9月21日のこよみ。
旧暦の8月26日に当たります。 ひのと うし 八白 先負。
日の出は5時53分、日の入りは18時05分。
月の出は0時59分、月の入りは15時47分、月齢は24.8です。
潮は若潮で、満潮は高知港標準で2時14分、潮位145センチと、16時29分、潮位165センチです。
干潮は9時16分、潮位64センチと、22時14分、潮位113センチです。

9月22日のこよみ。
旧暦の8月27日に当たります。つちのえ とら 七赤 仏滅。
日の出は5時54分、日の入りは18時03分。
月の出は1時58分、月の入りは16時23分、月齢は25.8です。
潮は中潮で、満潮は高知港標準で3時22分、潮位156センチと、16時53分、潮位173センチです。
干潮は10時02分、潮位54センチと、22時39分、潮位100センチです。

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