2022.09.20 08:40
「完全県産ワイン」を今年も 井上ワイナリーで醸造大詰め 高知県香南市
大詰めを迎えているワイン醸造作業。虫などの混入をチェックしながら、ブドウの実をタンクに投入する(写真はいずれも香南市の井上ワイナリー)
収穫されたブドウを機械にかけるスタッフ。自動で実だけにばらされていく
同ワイナリーは昨年、ブドウ栽培から醸造まで県内で完結する「完全県産」のワインを初めて出荷した。今年は8月上旬から、南国市、香南市、香美市、高岡郡梼原町で栽培されたブドウを住民の協力を得て収穫。昨年のほぼ2倍となる約20トンが集まったため、製法や熟成期間を変えた14種のワイン約2万本分を仕込むことにした。
芳醇(ほうじゅん)な香りが立ちこめる作業場では17日、スタッフ3人が機械でブドウの房をばらし、実を1600リットルのタンクへ投入。酵母を入れて醸造準備を整えた。今後、途中で取り除く種と皮から苦み成分などを抽出してブレンドし、味わい深いワインに熟成させるという。
梶原英正醸造所長(44)は「今年は日照量が多く、糖と酸のバランスが良いブドウが採れた。フレッシュでブドウ本来の味を感じられるよう仕込んでいるので、仕上がりを楽しみにしてほしい」と話していた。新酒は10月3日に発売される。(深田恵衣)