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2022.09.17 08:42

【動画】けなげにキュンキュン草刈り 佐川町の観光リンゴ園にロボット2台

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 リンゴ狩りのシーズンを迎えた高岡郡佐川町二ツ野の「土本観光果樹園」に、隅々まで雑草を刈ってくれる頼もしい助っ人がいる。四輪車型ロボットの1号と2号。家庭用の掃除ロボよろしく、キュンキュン走り回り、すっきりした園で観光客を迎えている。

 ジョナゴールドやつがるなど、8品種200本がほんのり赤い実をつけだした60アールの果樹園。ウィーンという電動音を立てて1号がやってきた。

赤く色づいたリンゴの下で草刈りに励むロボット(佐川町二ツ野の土本観光果樹園)

赤く色づいたリンゴの下で草刈りに励むロボット(佐川町二ツ野の土本観光果樹園)

 車体裏の回転刃で、雑草を3~7センチの高さに刈りそろえる。リンゴの幹に近づくと、センサーで感知して速度を落としてぎりぎりでターン。四輪駆動で斜面もぐいぐい上り、地面近くまで垂れた枝もベンチの下もくぐり抜けていく。

 デジタル技術で省力化を目指すスマート農業の一環として、生産者と県などでつくる協議会が町と国の補助事業を活用し昨年、試験的に導入した。2台ともスウェーデン製で定価は1台約60万円。

 敷地の境界まで進むと地中のワイヤに反応して方向転換する。1時間半ほど動くと木陰の充電器に戻り、30分の休息後に再び出発。これを24時間繰り返す。

 果樹園代表の土本誠さん(47)は以前、自らゴーカートのような草刈り機を運転して園内を整備していた。早朝に1時間かかり、1日にガソリンを10リットル消費。今は「雨の日も風の日も、1号と2号にお任せ」。

 たまに木を支えるワイヤに引っかかり動けなくなることも。すると、土本さんのスマートフォンに「衝突」というメッセージを自動で送り、GPSで居場所を連絡する。「また、こんなくまで頑張りよったかえ」。土本さんに救出され、また元気に走り出す。

 厳しい残暑下、黙々と草を刈る姿に観光客の心もキュン。「『ちょっと休ませちゃりやー』と言われることもある」と、土本さんは苦笑いだ。

 「リンゴ園はこれからが最盛期。実から袋を外す作業とお客さんの案内で忙しくなるけど、この子らのおかげで集中できる。感謝、感謝」(蒲原明佳)

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