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2022.09.10 08:35

マイクロアグレッションって? 悪気ない差別的言動 「心に刺さる〝とげ〟気づいて」原さん高知市で講演

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 悪気なく、無意識に行われる差別的言動「マイクロアグレッション(小さな攻撃性)」について学ぶ講演会が4日、高知市のこうち男女共同参画センター「ソーレ」で開かれた。NPO法人「共生社会をつくる性的マイノリティ支援全国ネットワーク」共同代表理事の原ミナ汰さん=北海道函館市=が「マイクロアグレッションは心に刺さる微細なとげ。自分が受けることも、他の人にしてしまうこともある。ちょっとした言動でも、生きづらさにつながると知って」と呼び掛けた。

 ソーレの企画「ジェンダーカフェ」の一つで約20人が参加した。
 
「小さなとげも、繰り返しいろんな人から言われると深刻な心の傷になる」と話す原ミナ汰さん(高知市旭町3丁目の「ソーレ」)

「小さなとげも、繰り返しいろんな人から言われると深刻な心の傷になる」と話す原ミナ汰さん(高知市旭町3丁目の「ソーレ」)

 性的マイノリティーの相談支援に携わる原さん。例えばある人が同性愛者だと告白すると「そうは見えないから大丈夫」「そんなこだわらなくても」。そんな言葉を返されるケースがある。言った側は慰めや励ましのつもりでも、性的マイノリティーは「〝大丈夫〟ではない」「変な人」という心の奥の差別意識や、性別に違和感のない多数派だからこそ言える「問題の無効化」が潜み、言われた側に「小さなとげ」として残る、と説く。

 原さんは出生時は女性とされたが、性自認は男性でも女性でもない「Xジェンダー」。性別の選択を求められるたびに傷ついてきたと話し、「自分はこれでいいと思えるまで時間がかかった。小さな傷でも放っておくと痛すぎて触れなくなる」と語った。

 さらに「性的マイノリティーでなくとも同様の経験はあるのでは」と投げ掛け、「自分の悩みを周囲が理解しない、取るに足らないと片付けられることが繰り返されると、自分の価値が分からなくなる」と強調。自分が多数派の立場にいるかもしれないと自覚し、「受け身でなく、積極的に相手を受け入れる姿勢を示すことが重要」と述べた。

 原さんは取材に対し「マイクロアグレッションに、言われた本人が言い返すことは難しい。日常から、そばにいる人が気付き、注意する形でなくす努力を」と提案していた。(森田千尋)

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