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2022.08.31 08:40

今夏の高知、暑かった! 8月猛暑日16日、熱中症アラート連発 少雨でアユ成育に影響も

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じりじり照りつける太陽の下、川遊びを楽しむ子どもたち(7月22日、高知市宗安寺=森本敦士撮影)

じりじり照りつける太陽の下、川遊びを楽しむ子どもたち(7月22日、高知市宗安寺=森本敦士撮影)

 今年の高知の夏は、太陽がじりじり照りつける夏らしい日が続いた。8月に県内で35度以上の猛暑日となったのは30日までで16日で、高知市で10ミリ以上の雨が降ったのは3日だけ。雨が多かった7月と打って変わり、行楽地は人であふれ、暑さ対策商品が売れた一方、河川では少雨の影響でアユの成育環境が脅かされている。

 気象庁が、四国地方が梅雨明けしたとみられると発表したのは6月28日。ただ、7月も中旬まで、ぐずついた天気が続いた。県民からは「本当に梅雨明けしたが?」という声も上がったが、梅雨明けの発表はあくまで速報値。気象庁はその後の経過を踏まえ、9月1日に確定した期間を公表する。 

 7月は、九州に上陸した台風4号の影響もあり、5日未明に県中西部に線状降水帯が発生。須崎市と高岡郡四万十町では3時間雨量が観測史上最大を記録するなど、7月の降水量はほとんどの観測地点で平年値を超えた。

 7月下旬からは太平洋高気圧に覆われ、にわか雨はありつつも、晴れる日が続いた。

 高知地方気象台と環境省は「熱中症警戒アラート」を8月だけで計16日発表。特に、よさこい鳴子踊り特別演舞(10、11日)の前後は6日から16日まで連日アラートが出た。

 暑さから逃れるように、家族連れらが涼を求めて川や海へ。香南市夜須町のヤ・シィパークの担当者によると、今年7月16日~8月28日の海水浴客は約2万人でほぼコロナ前の水準。「こんなに天気がいい夏は珍しい」と声を弾ませた。

 猛暑は作業着業界にも追い風に。ワークウェイ(高知市百石町1丁目)の奥村興二専務によると、ファン付き作業着の売れ行きが好調で「去年は冷夏で落ちたが、今年は回復しましたね」。水冷式のベストなど多様化した猛暑グッズは単価も高く、「防寒着などで売り上げを支えていた冬を、夏が上回るようになった」と喜んだ。

 一方、暑さと少雨の影響が直撃しているのが県内河川だ。

 県内水面漁業センターによると、8月下旬に入って四万十川西部漁協と物部川漁協から「アユが死んでいる」との連絡が入った。現地調査では両河川とも水温28度を超え、アユの死骸からは高水温で発症する病気の病原菌が見つかった。「例年より渇水が深刻で、水温を下げる水の供給が少ない」という。

 物部川漁協の松浦秀俊組合長は「非常に厳しい状況だ。今後の雨が適度なら良いが、豪雨で急激な水温低下や濁水が発生すれば、既に深刻な夏バテ状態のアユが大量死する恐れがある」としている。

 同気象台によると、9月も県内の気温は高い一方、雨は平年並みの見込み。日本の南にある台風11号の進路によっては、9月上旬にも激しい雨が降る可能性があるという。(新妻亮太、八田大輔)

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