2022.08.26 10:06
福岡のカワウソ高知の個体と近縁 幕末伝来のひげ解析
高知県立のいち動物公園が所蔵するニホンカワウソの剥製。福岡のカワウソと遺伝的に近いことが分かった(東京農業大の和久大介氏提供)
幕末に福岡藩で採取されたと伝わるカワウソのひげがニホンカワウソのもので、高知県に生息していた個体と遺伝的に近いことが東京農業大などのチームによる解析で26日までに分かった。チームの和久大介・東京農業大助教(野生生物学)は「かつて九州本島にもニホンカワウソが分布していた可能性がある」としている。
今回のひげの包み紙には、慶応2(1866)年9月4日の日付と「福岡城の庭で犬とカワウソが戦い、残されたひげを取った」との内容が記されていた。チームがひげの毛根部のDNAを解析し、剥製が残る高知県のニホンカワウソと遺伝的に最も近いことが判明した。