ずらっと並んだメジカの新子(須崎市の須崎魚市場)
もちもちの食感が人気のメジカ(マルソウダ)の幼魚「新子」の水揚げが、須崎市や高岡郡中土佐町で始まった。須崎魚市場(浜町2丁目)には、例年より半月ほど遅い8月下旬からまとまった量の新子が水揚げ。当地ならではの旬の味を鮮魚商らがこぞって競り落としていた。
須崎市で食べられるメジカの新子。ブシュカンの皮と搾り汁をかけて味わう(須崎市東古市町の「寿し仕出しつばき」)
25日午前9時前、漁を終えた漁船が、氷詰めの新子が入ったクーラーボックスを勢いよく降ろしていく。9時半に競りが始まると、市内外から集まった仲買人が威勢のいい声を響かせ、20センチ前後の新子を次々に買い付けていた。
新子を待つ客の行列ができた鮮魚店(中土佐町久礼)
例年9月上旬に開催される人気イベント「新子まつり」は、新型コロナウイルスの影響で3年連続の中止に。それでも地元のスーパーは「メジカ祭り」の看板を掲げてPR。須崎市ではシロスと呼ばれ人気のヒラソウダの新子も合わせて販売していた。
須崎と異なり、新子の皮と血合いを取り除くのが中土佐町流で、大正町市場(久礼)や近くの鮮魚店では、客の目の前でさばいて販売。昼前から行列ができ、県外観光客が「3年越しでやっと食べられてうれしい」と箸を進めていた。
須崎市観光協会によると、9月いっぱいは新子が楽しめる。(富尾和方)