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2022.08.15 08:47

ヤングケアラーに支援を 高知市でフォーラム、経験者「SOSを声に出して」

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ヤングケアラー問題にどう向き合うか話す谷正義さん=右=とくさか里樹さん(高知市の県民文化ホール)

ヤングケアラー問題にどう向き合うか話す谷正義さん=右=とくさか里樹さん(高知市の県民文化ホール)

 日常的に家族の世話や家事などを担う子ども「ヤングケアラー」について学ぶ県主催の「ヤングケアラー支援フォーラム」が14日、高知市内で開かれた。元当事者の体験談などを通じ、学生や教員、福祉関係者ら約70人(オンライン含む)が理解を深めた。

 元ヤングケアラーとして登壇したのは、9歳から統合失調症の両親の世話をしていた和歌山県在住の谷正義さん(37)。料理を作ってくれず、働くこともできない両親に代わって小学生の時から家事を担っていたといい、食べるものがなく「ごみをあさったこともある」など当時を赤裸々に語った。

 周囲の大人に相談すると、「親のことを悪く言うお前がおかしい」と逆に責められ、心を閉ざした時期もあったという。

 13歳の時、大阪に住む祖母が電話で相談に乗ってくれて以降、信頼できる大人が増えて「絶望しかない現実が変わっていった」といい、相談を受ける大人に対して「否定しないで子どもたちの声を受け止めてほしい」と強調。ヤングケアラーに向けては「どんなに小さなことでもいい。1人で悩まないでSOSを声に出して」と呼び掛けた。

 介護を題材にした漫画「ヘルプマン!」の作者、くさか里樹さん=香美市=と谷さんの対談もあり、くさかさんは「介護は1人ではできない。甘え合って支え合う社会にするためにもヤングケアラー一人一人に寄り添う支援が必要」と訴えた。

 フォーラムは21日に四万十市立文化センター、28日に安芸市総合社会福祉センターでも開かれる。いずれも午後1時からで、オンライン参加可能。問い合わせは「フォーラム事務局」(088・882・0333)へ。(人見彩織)

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