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2022.08.03 08:40

さかいゆう「高知色全開」 故郷・土佐清水拠点に新譜 風景、家族題材に5曲 8/6地元ライブ

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「音楽が聴けて、清水の人がたむろできるカフェ・バーみたいな所をいつか作れたら」と夢を語るさかいゆう(高知新聞社=反田浩昭撮影)

「音楽が聴けて、清水の人がたむろできるカフェ・バーみたいな所をいつか作れたら」と夢を語るさかいゆう(高知新聞社=反田浩昭撮影)

 地元の土佐清水市を拠点に音楽活動を行っているシンガー・ソングライター、さかいゆうが、古里や家族などを題材にした5曲入りの「Whale Song EP」をこのほど発売した。「当たり前に見られる景色や、食べ物とか、清水にいるだけで数百万円もらっている感覚。清水には清水にしかない良さがある」と故郷に腰を据えた生活に充実感をにじませている。

 1979年同市生まれ。土佐塾高校卒業後に音楽の道を志し、22歳で渡米。多彩な音楽を吸収しつつピアノを独学し、2009年メジャーデビューした。

 新型コロナウイルス禍でリモート作業が増え、「どこでもできることなら清水で」と昨夏同市に住まいを戻した。人里離れた家をスタジオとして構え、「いつでもアナログレコードが聴けて素晴らしいです」としみじみ。「都会を求めると“不便”だけど、僕は住んでるだけで得だなあと思う。東京ドームもディズニー(ランド)もないけど自然があるから」と郷土愛があふれ出る。

「Whale Song EP」

「Whale Song EP」

 新譜の「Whale―」は、「高知色大全開」の5曲がそろう。表題曲は「酔鯨酒造」(高知市)の依頼で作った新作で、日本から世界の海を回遊した「インターナショナルな鯨」をイメージ。ピアノで始まるスケール感ある旋律と、心洗われる歌声が耳に残る。

 インディーズ時代に制作した「故郷(ふるさと)」は、歌詞に幡多弁や「大岐の浜」といった地元の地名が登場。懐の深い自然や両親の姿が浮かぶ。

 カツオの一本釣り漁師の父を題材にした「父さんの汽笛」は、18年にNHK「みんなのうた」に採用された曲。「いごっそうな人。面倒見が良くて、子どもの頃は僕の友達によくアイス買ってました。『おー、アイス食え』って命令形で」

 他に、ジョン万次郎を歌う「Go Johney, man!」と、ローソン高知のCM曲「Lalalai~いごっそうver.~」を収録した。

 同業者が支持する「ミュージシャンズ・ミュージシャン」とも評される、さかい。男性グループ「嵐」=活動休止中=の二宮和也は6月発売のカバーアルバムの一曲に、さかいの「君と僕の挽歌(ばんか)」(12年)を選び、さかいの音楽に初めて触れた人たちからも反響を呼んだ。

 「君と―」は、18歳の時に事故で死去した、一番の親友に宛てた「特別な曲」だ。ミュージシャン志望だった彼が亡くなった後、さかいは自ら音楽の道へ。そして、人々の暮らしや心情に寄り添う楽曲を生み出し、地元に戻った今、「自分の音楽で何ができるか考えている最中」と話す。

 まずは6日、土佐清水市で数年ぶりとなるライブを同市民文化会館で行う。「(映画)『ゴジラVSビオランテ』を見た、小さい頃からなじみのホール。高知盛りだくさんで披露するので、観光がてら来てもらえれば」と気さくに呼び掛けた。

 午後5時開演。4500円。同会館や、d―ticket、ローソンチケット、チケットぴあなどで販売中。

 「Whale―」は各音楽配信サービスでダウンロードできる。6日のライブでは会場限定でCDを販売する。(徳澄裕子)

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