2024年 04月30日(火)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

高知新聞PLUSの活用法

2022.08.24 05:00

「植物の名前を知りたいのだ」シン・マキノ伝【7】 田中純子(牧野記念庭園学芸員)

SHARE

 高知県立牧野植物園に「植学啓原 訳文」という写本がある。この写本について、牧野は自叙伝でこう語っている。親友の堀見克礼の父は医者であって、家に「植学啓原」という宇田川榕庵によるオランダの本の翻訳書があった。これは、西洋の植物学を解説したもので、リンネの分類や植物学の述語を習得できた。この本は漢文で書かれていたので、自分が和文に訳したとある。

 堀見克礼(1867~1932年)は、前回の「重訂本草綱目啓蒙」のエピソードで登場した人物である。同じ佐川の生まれで、牧野よりは年少である。大阪医学校を卒業して大阪医科大学教授となり、大阪市で堀見病院を開業した。後に神戸に滞在することが多くなった牧野は、大阪の堀見を訪ね、診療を受けたこともある。

この記事の続きをご覧になるには登録もしくはログインが必要です。

高知のニュース 牧野富太郎 シン・マキノ伝

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月