2022.07.20 08:34
モモ核の穴はネズミの食痕、奈良 西大寺から出土、8世紀
穴の開いたモモの種を覆う「モモ核」。右がネズミがかじったとみられる痕跡(奈良文化財研究所提供)
奈良時代に創建された西大寺(奈良市)から出土した穴の開いたモモの種を覆う「モモ核」に、ネズミがかじったとみられる痕跡があることが奈良文化財研究所の調査でこのほど分かった。
モモ核の穴は、種子を薬として使用するためや祭祀用に、人が開けたと解釈されることもあったという。モモ核は2006年度の調査で、僧侶が食事をする食堂院の井戸跡から1700個が出土し、うち53個に穴があった。井戸は8世紀末には使われなくなり、食堂院から出たごみなどで埋められたらしい。
堅い殻に覆われた種子を食べるために側面からかじるのは、野ネズミである「アカネズミ」の特徴という。