2022.07.09 19:38
岸田政権9カ月に審判 参院選10日投開票
東京・有楽町で街頭演説を聞く有権者ら=9日午後(画像の一部を加工しています)
第26回参院選は10日に投開票される。昨年10月に就任した岸田文雄首相(自民党総裁)の約9カ月間の政権運営に有権者の審判が下る。与野党は物価高や消費税減税、憲法を主な争点に攻防を繰り広げた。18日間の選挙期間最終盤の8日、自民の安倍晋三元首相が奈良市で凶弾に倒れて死去した。各党が遊説日程を一時中止する異例の展開となったが、最終日の9日は厳戒警備の中、党幹部らが各地で街頭演説を再開。「暴力に屈しない」と民主主義を守り抜く決意を表明した。
選挙結果の大勢は11日未明にも判明。憲法改正に前向きな「改憲勢力」が国会発議に必要な3分の2以上の議席を維持するかどうかも焦点だ。
改選124議席(選挙区74、比例代表50)と非改選の神奈川選挙区の欠員1を補う合併選挙を含む計125議席に選挙区367人、比例178人の計545人が立候補した。女性は181人で過去最多。比例は9政党、諸派6団体が届け出た。
選挙戦全体の結果を左右する32の改選1人区を巡り、野党共闘は限定的で、与野党が事実上の一騎打ちとなったのは11選挙区にとどまる。
首相は新潟市で街頭演説し「暴力による言論封殺は絶対に許せない。私たちの民主主義は暴力に負けない」と述べた。立憲民主党の泉健太代表も京都市の街頭で「凶行は絶対に許せない。民主主義、平和な社会を守ろう」と強調した。
自民、公明両党は、与党で非改選(70議席)を含めて定数248の過半数を勝敗ラインに設定。今回、両党で55議席を確保すれば達する。首相ら政権幹部は、物価高対策や新型コロナウイルス対応に万全を期す考えを表明。政治の安定を訴え、与党への支持を求めた。
7野党は消費税の減税や廃止を提唱。立民は円安や物価高騰に岸田政権が「無策だ」と批判。生活者目線の政治を掲げた。日本維新の会は行財政改革を唱え、比例で野党第1党を目指す。
共産党は防衛費増額に反対、国民民主党は「給料を上げる」、れいわ新選組はガソリン税ゼロを訴えた。社民党は9条改憲に反対、NHK党は減税を主張した。