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2022.07.06 08:00

小社会 新語・線状降水帯

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 高知豪雨が見舞った夜が明け、高知地方気象台に行くとベテランの予報官が言った。「最悪の空気の流れになった」。1998年のことだ。

 夕刊用に解説をお願いした。ペーパーの裏に鉛筆で簡略図を書き、太平洋から進む大ざっぱな曲線の矢印を2本。二つの流れは合流して陸に吹き込む。

 海からポンプのように水蒸気は供給され、空気はさらに山にぶつかって上昇し、県中央部から繁藤方面へと続く南東斜面の帯状の細長い一帯に、やむことなく積乱雲が発生した。予報官は疲れた表情でそう語った。

 こうも言った。「湿舌と呼ばれる大気が流れ込んでいる。繁藤災害の時と同じ」。湿舌とは天気図で舌状に伸びている湿った大気を指す。雨の状態を示す言葉ではないが、洋上から伸びる雨雲の姿は生き物の長い舌が陸をなめている図柄にも見え、「湿った舌」という不気味な響きと重なった。

 近年、より詳しいメカニズムの研究が進み、新しい気象用語が登場している。豪雨を長時間浴びせる「線状降水帯」。次々に積乱雲が林立する「バックビルディング現象」。言葉は違えど、湿った空気の流れと、湧き続ける積乱雲が生み出す現象だ。

 冒頭のベテランはこうも言った。「予想をはるかに超えた」。自然の摂理は揺るがないが、天災は絶えず襲ってきて予想を超えてゆく。長い災害シーズンに突入している。経験と記憶と想像を糧に、心して備えたい。


7月6日のこよみ。
旧暦の6月8日に当たります。かのえ さる 六白 先勝。
日の出は5時01分、日の入りは19時20分。
月の出は11時18分、月の入りは23時43分、月齢は7.0です。
潮は小潮で、干潮は高知港標準で4時28分、潮位94センチと、16時33分、潮位62センチです。
満潮は10時06分、潮位150センチと、23時12分、潮位165センチです。

7月7日のこよみ。
旧暦の6月9日に当たります。かのと とり 七赤 友引。
日の出は5時02分、日の入りは19時19分。
月の出は12時18分、月齢は8.0です。
潮は小潮で、干潮は高知港標準で5時32分、潮位87センチと、17時27分、潮位76センチです。
満潮は11時22分、潮位144センチです。

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