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2022.07.05 08:00

小社会 繁藤災害50年

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 1972年夏、当時の繁藤小学校(現香美市)で授業が再開されたのは、地元で起きた悲劇から、50日ほど後のことだった。始業式で校長が「父母や祖父母を亡くした人は前に」と話すと、全校児童の4分の1が進み出たという。

 児童にも犠牲者がいて、遺影での「出席」となった。7月5日に発生した豪雨禍の山崩れ「繁藤災害」。救助に当たった人たちも二次災害に遭い、計60人が帰らぬ人となった。

 教訓は多い。崩壊の予兆のようなものもあったとされる。そもそも「起こるべくして起こった」豪雨禍とするのは元高知地方気象台長の仁木伸一さん。2007年、高知市文化振興事業団の機関誌で述べている。

 本県は北に四国山地があり、南は太平洋に向け扇形に広がる。南からの湿った空気が集まりやすい典型的な地形という。崩落や地滑りを起こしやすい地質帯も広がる。地震や津波と同じく、県民の逃れられない宿命とでもいえようか。

 被災の翌年、児童生徒が体験を文集にした。行間から子どもたちの心の叫びが聞こえてくる。「夢の中でお父さんが出てきました。ものを言わずに消えてしまいました」「母が父(の遺体)に語る。『どうして死んだ、何か言って』」

 今の子や孫を同じ悲劇に遭わせるわけにはいかない。梅雨が明けても水害の多い季節は続く。気を緩めないようにしたい。きょうは繁藤災害50年。折しも台風が接近中である。


7月5日のこよみ。
旧暦の6月7日に当たります。つちのと ひつじ 五黄 赤口。
日の出は5時01分、日の入りは19時20分。
月の出は10時19分、月の入りは23時16分、月齢は6.0です。
潮は小潮で、干潮は高知港標準で3時33分、潮位97センチと、15時48分、潮位49センチです。
満潮は9時08分、潮位158センチと、22時29分、潮位166センチです。

7月6日のこよみ。
旧暦の6月8日に当たります。かのえ さる 六白 先勝。
日の出は5時01分、日の入りは19時20分。
月の出は11時18分、月の入りは23時43分、月齢は7.0です。
潮は小潮で、干潮は高知港標準で4時28分、潮位94センチと、16時33分、潮位62センチです。
満潮は10時06分、潮位150センチと、23時12分、潮位165センチです。

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