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2022.07.04 08:00

小社会 星を見上げる少年

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 その夜も蒸し暑かったようだ。1945(昭和20)年7月4日未明の高知空襲。先ごろ名誉県民に選ばれたコメットハンター、関勉さんが三十数年前の本紙連載「宇宙の放浪者」にそう書いている。

 空襲警報の時間を長く感じた。室戸岬上空にB29の編隊ありとも伝わった。湿っぽい防空壕(ごう)にいた10代半ばの関少年は地上の空気に触れたい気持ちもあり、父母の目を盗んで外の様子を確かめに出た。すると、暗い夜空に青白く輝く1等星。織女星ベガだったという。

 優しい光に感動した少年は思う。「いつになったら、このような生活から解放され、自由になれるのだろう」「どうしてこのような悲惨な戦いが繰り広げられているのだろう? 人間同士が殺し合っているのだろう?」

 まもなく少年は地上に地獄絵を見る。鏡川の浅瀬に落ちた焼夷(しょうい)弾は水中で火を噴き、水面の油が燃えて火の川が流れている。北岸に落ちた焼夷弾で数人の人影が消えうせた。焼け落ちた防空壕では痛ましい遺体が見つかった。

 77年後も世界は地獄絵を見せられている。国連児童基金(ユニセフ)の現地事務所によると、ウクライナでは人口密集地への攻撃で毎日平均2人以上の子どもが命を失い、4人以上が負傷。これも国連が確認できた数で、実はもっと多いだろうとする。

 権力者の勝手な理屈による戦争が長引く。戦火の街にもいるであろう、星を見上げる少年少女に思いをはせる。


7月4日のこよみ。
旧暦の6月6日に当たります。つちのえ うま 四緑 大安。
日の出は5時01分、日の入りは19時20分。
月の出は9時20分、月の入りは22時48分、月齢は5.0です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で2時47分、潮位98センチと、15時08分、潮位38センチです。
満潮は8時21分、潮位165センチと、21時50分、潮位168センチです。

7月5日のこよみ。
旧暦の6月7日に当たります。つちのと ひつじ 五黄 赤口。
日の出は5時01分、日の入りは19時20分。
月の出は10時19分、月の入りは23時16分、月齢は6.0です。
潮は小潮で、干潮は高知港標準で3時33分、潮位97センチと、15時48分、潮位49センチです。
満潮は9時08分、潮位158センチと、22時29分、潮位166センチです。

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