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2022.06.24 19:35

「糖尿病」について【こうち医療ウォッチ】南国中央病院

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南国中央病院 循環器内科  生藤 博行さん

南国中央病院 循環器内科  生藤 博行さん

 糖尿病とは、インスリンの作用不足で血液中のブドウ糖濃度が異常に高くなってしまう病態をいいます。なぜこれが良くないのでしょうか。全身の血管が動脈硬化で壊れてゆき、多彩な疾患を発症することで死亡率が高くなるのです。
 小さな血管の障害を細小血管障害といい、網膜症、神経障害、腎症などがあります。網膜症からの失明や、神経障害と末梢(まっしょう)血管障害の合併から下肢切断に至るケース、また慢性透析の原因疾患の圧倒的1位は糖尿病性腎症です。中~大血管障害には、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、脳梗塞などの脳卒中、末梢血管障害、大動脈解離や弁膜症などもあります。糖尿病であるだけで心不全も発症しやすくなりますが、心筋梗塞や弁膜症の合併によりさらに高率となります。まさに万病のもとと言えます。

 2型糖尿病の発症の根本は遺伝子です。そこに過食・肥満などの環境因子が加わり、加齢とともに発症します。昔から、血糖を厳格に下げて糖尿病の予後を良くしようとする研究がたくさん行われました。しかし、細小血管障害には良いが、大血管障害や死亡率には良いことはないという結果でした。糖尿病治療は血糖を下げることだけではないのです。全身動脈硬化を予防し死亡率を下げることが目標ですので、高血圧・高脂血症治療や禁煙・肥満解消・運動などの総合治療が必須です。

詳しくは循環器内科にご相談ください。

              














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