2022.06.20 18:56
糖尿病の合併症【こうち医療ウォッチ】青柳クリニック
青柳クリニック 院長 糖尿病内科・内科
近江 訓子 医師
日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医
[略歴]
平成17年 東邦大学医学部卒業
平成19年 高知大学第二内科
(現 高知大学医学部内分泌代謝・腎臓内科
長年にわたる高血糖状態は細小血管合併症を引き起こします。細小血管に起こる障害のうち、腎症、網膜症、神経障害は三大合併症といわれ、患者さんの生活の質や生命予後を脅かします。糖尿病性腎症から末期腎不全になり、透析療法を導入される患者さんは増加の一途をたどっています。慢性透析患者さんにおける主要な原因疾患として糖尿病性腎症は2011年以降第1位です。
また糖尿病網膜症は目に生じる合併症です。初期だけでなく進行した段階でも自覚症状がないことが多いです。見えにくいと思って初めて眼科を受診したら深刻な状態にまで進行していた、という話は残念ながら後を絶ちません。眼科は少なくても年に1度は受診するよう患者さんにお願いしております。
そして神経障害は、通常足の指や足の裏から左右対称に生じることが多いです。足の鈍さや異常感覚、痛みなどの症状が自覚される場合があります。小さい足の傷などに患者さんご本人が気付かず悪化し、壊疽(えそ)など大変な状態に至ることもあります。
そのほか糖尿病は脳卒中や狭心症、末梢(まっしょう)動脈疾患、歯周病、認知症などさまざまな疾患のリスク要因となるため、合併症が生じる前に治療をすることが大事です。
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