2022.06.11 07:00
暗闇の宇宙、感じた死 野口聡一さん、キャリア振り返る
インタビューに答える宇宙飛行士の野口聡一さん
宇宙航空研究開発機構(JAXA)を退職した宇宙飛行士の野口聡一さん(57)が10日までに、東京都内で共同通信の単独インタビューに応じて「宇宙は基本的には死の世界。生きていることは奇跡だと感じた」と語り、3回の飛行体験を含む四半世紀のキャリアを静かに振り返った。
「手を離せば無の世界に行ってしまう」。2021年3月、国際宇宙ステーション(ISS)での船外活動。眼下の地球はこうこうと輝き、握った手すりは太陽の光で熱を帯びていた。目の前の宇宙は「360度、光が来ない何もない景色」。星すら見えない暗闇に、恐怖を覚えた。だが、まばゆい輝きのISSと地球があった。