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2022.05.24 08:35

無人島のメジロ姿消す、外来種サンジャク影響か、保護団体「野鳥減少恐れ強く」、高知県の黒潮町・鹿島

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メジロが姿を消した鹿島(黒潮町佐賀)

メジロが姿を消した鹿島(黒潮町佐賀)

 国や県の絶滅危惧種、ヤイロチョウの生態を脅かすとされる外来種の鳥、サンジャクが幡多郡黒潮町佐賀の無人島、鹿島にすみつき、島に長年いたメジロが姿を消したことが社団法人生態系トラスト協会(高岡郡四万十町大正)の調査で分かった。周辺の山林にもサンジャクが多く生息してメジロの鳴き声が聞かれなくなっているといい、同協会は「サンジャクの繁殖で在来の野鳥が減る恐れが強まった」と危機感を募らせている。

 佐賀漁港近くにある鹿島は県鳥獣保護区。ヒヨドリなどが生息する中、最も小さな鳥がメジロだった。

 そのメジロが消えたとの情報があり、同協会の中村滝男会長(70)らが5月初旬に島を調査。メジロは1羽も見られず、代わりにサンジャクが5羽程度生息していると分かった。
県西部に生息域を広げるサンジャク(四万十町大正)

県西部に生息域を広げるサンジャク(四万十町大正)



 近くの願成寺住職、和田孝哲さん(73)は、昨年9月ごろからメジロの鳴き声が聞かれなくなったといい、「見たことのない鳥が島にいて、なんじゃろとなった」。中村さんらの調査では、佐賀地域の山でもメジロの姿がなく、サンジャクが多く生息していることも分かった。

 「これほどメジロが消える状況は尋常ではなく、サンジャクが天敵となっている恐れが強い。多くの人に状況を知ってもらいたい」と中村さん。これまでにヤイロチョウも縄張りから追われた可能性が高いことが分かっており、同協会は引き続き、サンジャクの目撃情報や捕獲協力者を募っている。(小林司)

6/4に観察会
 同協会は6月4日午前9時~正午、佐賀漁港でサンジャクの観察会を開く。
 港から鳴き声を聞き、島に渡った同協会の関係者が携帯電話で状況を伝える。雨天時は5日に順延。申し込みは、前日までに同協会(050・8800・2816)へ。

 【ズーム】サンジャク 中国中南部やベトナムなどに分布するカラス科の外来種。頭部は黒く、体の上部と翼は青い。長い尾を含めた全長は65~70センチ。雑食性で昆虫や果実のほか、他の鳥や動物の肉なども食べる。1999年ごろ、愛媛県宇和島市の公園施設で飼育されていた30羽以上が逃げて野生化し、四万十町、津野町、宿毛市など県西部で生息域を広げている。

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