2022.05.08 08:25
「たわわに実って」高知県宿毛市でブンタン授粉シーズン、農家大忙し
一つ一つ手作業でめしべに花粉を付けるブンタンの授粉作業(宿毛市宇須々木の吉岡農園)
同市宇須々木の吉岡農園。水はけが良く、日光を受けやすい斜面100アールほどにずらりと並ぶ約400本の木が白い花を付け、甘い香りを放っている。
ブンタンは自然に受粉するケースが少なく、農家は開花に合わせ、受粉しやすいとされる小夏の花粉などを混ぜたものを手作業で付ける。7日は、住民ら8人が先端に綿毛が付いた棒に花粉を付け、優しい手つきでめしべに授粉させていった。
木は高さ2メートルほどあり、作業は立ったりしゃがんだりの繰り返し。作業歴6年の谷梓さん(43)=押ノ川=は「終わったら体がぐったり」と笑いながら「立派な実を付けてほしい」と、来年1月ごろの収穫を待ちわびていた。
開花は今月中旬まで続き、授粉の確率を上げるため同じ作業を2回行うそう。同農園の吉岡毅代表(49)は「近年は気候条件が悪く、満足に収穫できていない。今年こそはたわわに実ってほしい」と汗をぬぐっていた。(坂本出)