2022.04.29 08:45
【動画】高知市の五台山展望台ありがとう…最後の24時間 デートしたがよ/「100万ドル」とは言わんですけど/言い尽くせません
高知市の五台山にある展望台が、28日午後5時で約半世紀の歴史に幕を閉じた。耐震不足への懸念を受けた県の突然の閉鎖発表から、わずか3日。デートや遠足など思い出をかみしめる人が続々と訪れ、「ありがとう」「目に焼き付けちょく」と別れを惜しんだ。最後の24時間を点描する。
※ギャラリーにウェブ限定写真などを掲載しています。
それぞれの思い出に浸りながら、最後の夜景を楽しんだ(27日午後9時50分ごろ、いずれも高知市吸江、森本敦士撮影)
27日夕、ワイシャツ姿の男性が現れた。市内の宮川啓さん(61)。「閉まるって聞いて、行かないかんと思うて」駆け付けた。「高校時代にモノレールでダブルデートしたがよ。彼女の顔ばっかり見てて、景色は覚えてない」と苦笑い。分厚い雲を眺め、「いろんな人のドラマがあるがやないろか。一つの時代が終わったよう」とぽつり話した。
やがて仕事終わりの人も増えてきた。眼下の街が輝きを増した午後7時すぎ。肩を寄せ合いカップルが訪れた。市内の女性(34)と夫。2人が初デートでここを訪れたのは15年前の12月25日。以来、毎年同じ日に足を運んできたという。「あれから何年だね、なんて話して。今年は言い合えないのが寂しい」と、夜景を目に焼き付けた。
「記録に残しちょきたい」とカメラを抱えた人も続々。三脚を据えた香南市の中野照代さん(53)は「高知の夜景と言ったら、ここ。『100万ドルの』とは言わんですけど、本当にいい」としみじみ。以降も遅くまで家族連れやカップルが次々と訪れた。
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