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2022.04.29 05:00

【大型連休入り】警戒怠らずに行動を

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 きょうの「昭和の日」からゴールデンウイーク(GW)が始まった。
 一昨年のGWは、新型コロナウイルス禍を受けた緊急事態宣言が全国で発令されており、昨年は東京など4都府県に出ていた。今年は3年ぶりに自粛要請や移動制限がなく、旅行や帰省を予定する人も多いことだろう。だが、感染再拡大のリスクも指摘されている。警戒を怠ることなく行動したい。
 現在の新型コロナの感染状況は、大都市部は減少傾向にあるが収束とまでは言えず、地方では、新規感染者数の1週間平均が「第6波」のピークを上回っている県もある。
 背景には、従来のオミクロン株より感染力の強い派生型「BA・2」への置き換わりがある。さらに、別の派生株も国内で確認されており、GW中の多人数の往来で、新規感染者が増加する懸念は強い。
 一方、社会経済活動の回復も図る必要がある。オミクロン株は重症化リスクが低く、政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長も「社会活動を完全に止めるオプションはないのではないか」との見解を示した。
 コロナの感染拡大で最も懸念されるのは医療提供体制の逼迫(ひっぱく)だ。感染者が増えたとしても、数を極力抑え込むことで医療の負担を軽くすることが重要であり、GW中も手洗い、マスク着用など基本対策の徹底が求められる。集客施設や店舗側も感染対策への十分な配慮が必要だ。
 3回目のワクチン接種が感染防止に有効であることも確認されている。特に接種率の低い若い世代向けに、理解を促していきたい。
 高知県の感染状況も現在は下げ止まっている状況だ。1週間当たりの新規感染者は直近3週間、千人前後でほぼ横ばいとなっており、病床占有率も10%台後半で推移する。
 浜田省司知事は28日、改めて県民にGW中の感染対策の徹底を求めた。本県では、JR高知駅前に無料検査施設が新たに設けられるなど、検査態勢が拡充される。帰省して高齢者らに会う場合などに活用していきたい。
 GWには自然体験型のレジャーを楽しむ人も多いだろう。しかし、危険も潜んでいることも念頭に置いておくべきだ。
 北海道・知床半島沖で23日、乗員乗客26人を乗せた観光船が遭難。犠牲者の発見が相次ぎ、不明者の捜索が続く。荒天見通しだったにもかかわらず、出航を決定した運航会社の判断ミスが指摘されている。
 本県は、自然体験型観光を売りにする。コロナ禍を受けた需要増でアウトドア施設も急増している。各地、にぎわうことだろう。だが、悪天候の日はもちろん、晴れた日でも天気の変わりやすい山間部などでは落雷や急な増水もありうる。
 気象庁によれば、全国的にGW序盤と終盤は天気が崩れる日があり、序盤には太平洋側で強く降るところもあるという。
 サービスを提供する側、利用する側それぞれが、安全を第一に適切な判断を心掛けていきたい。

高知のニュース 社説

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