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2022.04.20 08:40

高知への県外観光客微増267万人 「竜そば」効果も? 21年、コロナで観光ニーズ変化

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アニメ映画「竜とそばかすの姫」のロケ地となった越知町の浅尾沈下橋。昨夏には県内外の観光客でにぎわった

アニメ映画「竜とそばかすの姫」のロケ地となった越知町の浅尾沈下橋。昨夏には県内外の観光客でにぎわった

 新型コロナウイルス下の2021年に高知県を訪れた県外観光客数は、03年以降で最少だった前年から0・2%増の267万2千人だったことが県の集計で分かった。県外観光客の総消費額は699億9300万円で、最少だった前年から8%増した。県は、コロナ下で観光ニーズが変化し、限られた旅行の機会に宿泊や飲食にお金を使う人が増えたと分析。高知を舞台のモデルとしたアニメ映画「竜とそばかすの姫」の効果もあったと見ている。

 県は航空機やJRの旅客数、高速道路の利用台数などに独自の係数を掛け、県外からの観光客数を推計している。03年以降は300万人台が続いていたが、大河ドラマ「龍馬伝」が放送された10年に435万9千人と急伸。13年以降も400万人を超えるにぎわいを見せ、18年には最多の441万2千人を記録している。

 19年も438万8千人と好調だったが、20年3月以降に新型コロナが拡大したことで観光需要は激減。政府の観光支援事業「Go To トラベル」の後押しで一時盛り返したものの、20年の客数は03年以降で最少の266万7千人。総消費額も最少の648億100万円だった。

 21年も厳しい状況が続いた。「Go To」は再開されることもなく、よさこい祭りは2年連続の中止に。夏にはアニメ映画「竜とそばかすの姫」の上映で局地的には盛り上がったものの、年間を通じて低調。県観光政策課によると、全国的に感染が落ち着いていた11、12月に若干回復した程度だった。

 一方、1人当たりの観光消費額は前年から7・9%増の2万6202円。中でも宿泊費は06年以降で最高の7996円(前年比7・3%増)となった。 

 同課によると「せっかくの旅行。食や宿にお金をかける傾向にある」。コロナ下の観光客は観光施設を回るより宿泊施設での時間を重視する傾向があり、「密」を避ける部屋食や露天風呂付きの部屋を利用する人も多い。施設側もニーズに合わせたプランを実現するため、利用料を上げたことが影響したと考えられるという。

 1人当たりの飲食費も8・5%増の6465円。交通費はマイカー利用やガソリン高騰により14・2%増の7134円。一方、土産代は2・5%減の3686円だった。

 利用交通機関ごとに見ると、約7割を占める乗用車が1・2%増の185万9700人。航空機が2・2%増の5万9500人。高速バスが11・7%減の4万800人。鉄道が19%減の6万500人。高知龍馬空港のレンタカー貸し出し台数は前年に比べ2割増となるなど、マイカーやレンタカーでの観光が軸となった。

 県は22年の目標を450万人以上、総消費額を1130億円と設定。「まずは近場を取り込み、感染状況を見ながら『高知観光リカバリーキャンペーン』などを利用して遠方からも来ていただく。来年の朝ドラ『らんまん』を起爆剤として、引き続き高知の魅力をPRしていきたい」としている。(浜田悠伽)

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