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2022.04.17 08:00

【コロナ感染増】「第7波」入りに警戒を

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 新型コロナウイルスの新規感染者数が再拡大の様相を見せている。
 「第7波」に入ったとみる専門家も出始めた。背景には年度替わりに人の動きが増加したことや警戒感の薄れもあるだろう。
 加えてウイルスが変異によって感染力を強めているといわれる。現在主流のオミクロン株は重症化率や致死率は低いとされる。だが油断はできない。感染者が急増すれば、結果的に重症者や死者も増えかねないからだ。
 間もなく大型連休を迎え、本格的な行楽シーズンに入る。人と人との接触機会も増す。感染への警戒を緩めないようにしたい。
 厚生労働省の集計によると、今月12日までの1週間の感染者累計は前週に比べて全国で1・06倍。3週連続で前の週を上回った。
 地域別では、都市部の東京の前週比が1・01倍、神奈川は1・02倍と微増だが、岩手は1・50倍、長崎1・33倍、和歌山1・31倍と地方の増加幅が目立っている。
 特に岩手や愛媛、宮崎など9県は1週間の感染者累計が過去最多を更新した。高知も日々の新規感染者数が下げ止まっている。
 新型コロナは昨年12月以降、主流がデルタ株からオミクロン株「BA・1」に交代。重症化率は下がったが、感染者数が急増した。最近の報告では、BA・1も派生型の「BA・2」に置き換わろうとしており、専門家は5月第1週には9割超を占めるとみている。
 気になるのは、BA・2はより感染力が強いとされる点だ。さらにBA・1とBA・2の遺伝情報が交ざった派生型「XE」も国内で初めて、成田空港に到着した人から確認された。
 オミクロン株は子どもや若い人の感染が目立ち、無症状や軽症の人も少なくない。だが、それが体力の弱い高齢者や持病のある人の感染、クラスター(感染者集団)を生みかねない。
 厚労省は、ワクチンの3回目接種を受けた人はオミクロン株に対しても感染や重症化のリスクが低いとしている。引き続き、接種率を上げていかなければならない。
 一方で、これまでのコロナ対策が限界を迎えつつあるのも確かだ。飲食店の時短営業など社会経済活動の抑制で感染拡大防止を狙ったが、このままでは生活が立ち行かない。
 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、重症化リスクの低減に伴い、求められる対策は「新しいフェーズ(局面)に入った」との認識を明らかにしている。学校や店を閉め、街に人がいなくなる光景にする必要はもうなく、感染者数を一定程度に抑え、社会経済活動とのバランスを重視する姿勢を示した。
 経済や生活をどう立て直すのか。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の取り扱いはどうするのか。政府や国会はこれまでの対策と効果をしっかりと検証した上で、国民に方向性を示す必要がある。

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