2022.04.06 08:40
漆黒のうどん、ソーセージ、カクテル…炭グルメ、室戸で続々 土佐備長炭産地をPR
室戸市で拡大中の炭グルメ。(手前から時計回りに)うどん、ソーセージ、アヒージョと炭パン、ビール(室戸市の居酒屋「吉良川魚処 玄」)
県の2020年土佐備長炭生産量まとめによると、室戸市は697トンで県内の半数を占める。半面、同市吉良川町甲の窯元「炭玄」の黒岩辰徳代表(42)は「炭のPRが乏しく、随一の生産地であることも知られていない」と感じていたそう。
土佐備長炭にもっと注目してもらおうと、炭が漢方薬に使われていることをヒントに、炭焼きそばやソーセージなどを試作した黒岩さん。14年に市内のイベントで提供したところ好評だった。19年には居酒屋「吉良川魚処 玄(くろ)」(吉良川町甲)をオープンし、本格的な炭料理販売に乗り出した。
料理は、土佐備長炭を食用に加工したパウダーを使用。パウダー自体は無味無臭で、炭の作用で体内の老廃物と吸着して排出を促す効果もあるという。
現在は「―玄」をはじめ、ジオカフェ、ドルフィンセンター(以上室戸岬町)、「MUROTO base55」、バー「East」(以上室津)の5店舗・施設が炭料理を提供中。飲食店「Aozo Light」(浮津)でも、炭のうどんやパスタの販売を準備している。
炭のカクテルは地元常連客にも人気(室戸市のバー「East」)
燃料だけでなく、食料にも飲料にも使える良質な土佐備長炭。黒岩さんは「炭料理を足掛かりにして炭ツアーの企画など観光面にも広げたい」と、炭のまち室戸の発信に意欲を見せている。(板垣篤志)