2022.03.25 08:31
サワラ、ブリ…初日大漁! 定置網12年ぶり復活 高知県四万十町
「えい魚が入っちゅう」。初水揚げで活気づく定置網漁の作業船(四万十町興津沖)
浦分漁港沖では2010年を最後に大敷漁が行われていなかった。県が18年度に漁場調査を行って経営者を募り、「四万十海心」(同町本町)が水深約45メートルの海域に全長240メートルの網を設置した。
この日は午前6時半ごろ、作業船が漁場へ。新たに雇われた6人の乗組員らが声を掛け合って網をたぐった。
「おるおる、ブリが走ったぞぅ!」
魚の姿が見えだすと船上が活気づいた。船主が一升瓶のお神酒を海へ。アジを中心にサワラ、ブリ、イシダイなど、網いっぱいに躍る魚をすくい出し、氷水が入った水槽に収めていった。
港に戻っての「初持ち式」で、今後の大漁を祈願して三本締め。水揚げした魚は住民に自由に持ち帰ってもらう大盤振る舞いで、「こりゃあ太い!」「港が活気づくねえ」と人だかりができた。
四万十海心の矢野賢一社長(49)は好漁に安堵(あんど)の表情。「不安もあったが漁師と水産物の減少を見て、やらなければいけないと強く思った。希望を感じている」
漁獲物は県内外のスーパーや水産加工会社に販売される予定。さらに数人の船員を募集中という。(八田大輔)