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高知新聞PLUSの活用法

2022.03.25 08:36

お茶の実を中山間の資源に 高知県仁淀川町で石けん、オイル商品化 放棄地活用や雇用期待

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お茶の実から作ったオイルや石けん(仁淀川町竹ノ谷)

お茶の実から作ったオイルや石けん(仁淀川町竹ノ谷)

 お茶の実を搾ったオイルで作った石けんなどを吾川郡仁淀川町竹ノ谷の一般社団法人「山茶小屋」が商品化し、販売している。自然由来の成分で肌に優しく、耕作放棄地となっていた茶畑の活用や雇用創出も期待されている。

 年月を重ねた茶の木は、秋になると直径1・5センチほどの実を付ける。住民らは昔から、自生する山茶の実を搾ってツバキ油の代わりに髪や肌に塗ったり、乾燥させた実をそば殻のように枕に入れたりしている。

 今回の商品化は、町の移住交流拠点施設を指定管理する山茶小屋スタッフの西脇亜紀さん(47)が発案。かつて茶の実の活用策を練っていた同法人代表の女性が、今もほそぼそと茶の実オイルから石けんを手作りし、自分で使ったり知り合いに配ったりしているのを知り、「中山間地の新しいビジネスになるかも」と考えた。

 昨秋から、町内の高齢者らに自生する山茶や栽培をやめた茶畑で実を収穫してもらい約90キロを買い取り。搾油を県外業者、石けん製造を佐川町加茂の障害福祉サービス事業所「こじゃんとはたら来家(こや)さかわ」に依頼した。

 「茶美花(ちゃびか)」と名付けた石けんは1個(60グラム)1500円で、同法人の商品開発部門「茶花草会(さかそうかい)」のホームページ(HP)や、ゆの森(仁淀川町名野川)、宝来荘(同町大屋)で販売。HPではオイルや枕も扱う。

 近年は茶葉の価格が低迷し、生産者の高齢化で耕作放棄地も増える中、茶の実で6次産業化を目指す西脇さん。「自然の中でできた商品で、都会の人たちに使ってほしい。高齢者や移住者の仕事にもしていきたい」と話す。

 茶花草会は、今季の活動への支援をクラウドファンディング(CF)で募っている。目標25万円で、協力はCFサイト「WonderFLY」で31日まで。(楠瀬健太)

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