2022.03.22 08:41
バスは支流の奥へ 四万十町「大道線」を行く―四万十川は今
会話が弾むバス車内。さながら「走る談話室」だ(四万十町十和地域の大道線)
一見、小さな流れに見える支流でも、その谷をさかのぼれば、非常な奥行きがある。小集落を通り過ぎたかと思えば、しばらく進んだその先で、また家屋とわずかばかりの農地を見掛ける。
高岡郡四万十町が「コミュニティーバス」の運行を始めてから、12年目を迎えた。通常の路線バスが維持できない地域で、バス・ハイヤー事業者に委託。各路線とも曜日を決めて、週1日だけ巡回している。運賃は一律100円で、現在は22路線。
地元のお年寄りに交じって、支流の奥地に向かう七つの路線で終点まで乗ってみた。どの運転手も世話好きで、地域の事情に通じている。
「合併もしたし、四万十町は広いですよ。町全体に枝(支流)がありますき。いろいろ谷があって、谷ごとにまた違いがあります」
十和地域の「大道(おおどう)線」は最も長い路線の一つで、終点まで片道1時間。「枝」を上り詰めた県境近くの谷で、暮らしの一端に触れた。(福田仁)
この里に残りたい 四万十町 バス大道線―《川に生きる》
「向畑」方面への運行を終えたバスが夕刻、山を下りる。谷底には沈下橋(四万十町「大道線」)
運転手の女性に聞けば、「大道(おおどう)線」のコミュニティーバスで間違いない。
…