2022.03.21 08:00
小社会 アネモネ
アネモネは地中海沿岸の原産。欧州では美のはかなさの象徴だという。手元の事典には、美少年アドニスがイノシシに殺された時、流された血から生まれたというギリシャ神話が出てくる。
20年余り前の本紙記事は悲しい物語を紹介している。聖地エルサレム奪回のため、11世紀末からパレスチナに遠征した十字軍。兵士は、もし戦死したら聖地の土に埋葬してほしいと懇願した。遺体とともに故郷の墓地に運ばれた聖地の土から赤いアネモネが咲いた―。
古来、花に託して人生や世のはかなさが語られることは多い。戦争とは絡めたくないものだが、日本にも先の大戦で、散る桜の潔さを軍人の心得に重ねた過去がある。桜にすれば人間の思いなどとは関わりなく、植物の生を全うしているだけなのだろうが。
情報が飛び交うウクライナ情勢に思いが至る。ロシアの侵攻が始まった頃。地元の女性がロシア兵を叱責(しっせき)し、ヒマワリの種を持って行けと迫る映像が報じられた。女性の皮肉は「あなたがここで死んだ時、ヒマワリが生えるように」。
ヒマワリはウクライナの国花。指導者が兵士に非道な攻撃を命じるロシアを象徴する花の一つもヒマワリだという。つくづく、やりきれないことだ。
3月21日のこよみ。
旧暦の2月19日に当たります。みずのと とり 七赤 友引。
日の出は6時09分、日の入りは18時18分。
月の出は21時31分、月の入りは7時50分、月齢は18.4です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で1時38分、潮位24センチと、13時55分、潮位8センチです。
満潮は7時38分、潮位173センチと、20時17分、潮位168センチです。
3月22日のこよみ。
旧暦の2月20日に当たります。きのえ いぬ 八白 先負。
日の出は6時08分、日の入りは18時19分。
月の出は22時41分、月の入りは8時24分、月齢は19.4です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で2時11分、潮位41センチと、14時34分、潮位8センチです。
満潮は8時05分、潮位169センチと、21時04分、潮位156センチです。