2022.03.14 17:03
リハビリテーションとタンパク質【こうち医療ウォッチ】南国中央病院
南国中央病院 栄養課 管理栄養士 齊藤 里奈
リハビリテーションにおいて筋肉を増強することは重要な治療のうちの一つですが、低栄養状態のまま運動を行うとかえって筋肉量が減少する原因となる可能性があります。これは、摂取カロリーが低く体内にあるエネルギー量が少ない場合に筋肉を分解してエネルギーを得ようとするためです。
筋肉量の維持や廃用を予防するためには、適正体重1㌔当たり1㌘以上のタンパク質摂取が推奨されています(日本人食事摂取基準2020年版)。つまり、十分な摂取カロリーやタンパク質を確保してからリハビリテーションを行うことが重要になるというわけです。
筋肉はタンパク質でできており、タンパク質はアミノ酸がたくさん集まってできたものです。その中でも分枝鎖アミノ酸(BCAA)は筋肉を構成しているアミノ酸の30~40%を占めており、筋肉の合成や筋肉損傷抑制などの働きがあり、素早く体内に吸収される性質があります。効果に即効性があるため、BCAAを取るタイミングも大切なポイントです。理想は、リハビリテーションの30分前後に摂取することです。速やかに筋肉に届けることができるため、筋肉分解を抑制し筋肉合成を促進する効果が期待できます。適切な方法で栄養補給をし、治療効果を高めていきましょう。
栄養補給等に関してご不明な点がございましたら、栄養士までご相談ください。
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