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2022.03.10 08:00

声ひろば 2022年3月10日、木曜日

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1.ロシアの人々の英知を信じたい
【北沢聖司、63歳、会社員、高知市】
 3月2日付小社会を読み、「パリは燃えているか」の荘厳な調べとともにドキュメンタリーに映し出される、第2次世界大戦前後の戦禍により廃虚となった街の姿を思い出した。教科書や映像の世界でしか知らなかった大国による一方的な軍事侵攻がいま現実のものになっている。
 ニュース報道の幼い少女が語る「死にたくない」という悲壮な言葉に胸が締め付けられる。
 21世紀のいま、83年前のドイツによるポーランド侵攻の時とは異なり、国際関係の政治、経済の緊密度、さまざまな情報量には格段の違いがある。理不尽な侵攻の様子は瞬く間に世界を巡り、経済的な制裁も短時間で実施される。権力者の「力による支配」が長く続いたためしがないことを歴史が証明している。
 この暴挙を止められる一つの可能性は、当事国であるロシアの内なる民衆の力ではなかろうか。1世紀のなかで2度にわたる大きな社会変革を経験してきたロシアの人々の英知に期待したい。現在の厳しい言論統制と力による支配のなかにあっても、自国が国際社会から阻害されるであろう将来を憂慮し、権力者の暴挙を止めることを選択してほしいと願う。
 「パリは燃えているか」を作曲した加古隆氏のテーマの一つであるという人間のもつ素晴らしさを信じたい。

2.輝く「むろと2000本桜」
【島田郁子、78歳、更生保護女性会員、室戸市】
 「日本の花」といえば桜。古来より万葉集にも歌われ、清らかな美しさ、花びらが風に舞い、はらはらと散りゆく姿は人々の心を魅了してやまない。
 県立室戸広域公園には「むろと2000本桜」と呼ばれる桜公園がある。室戸といえば青く澄み切った海と空、まさに「空海」。それとともに深緑の山々に囲まれ、自然の雄大さに圧倒される。その中にひときわ輝き人々を魅了する2000本桜がある。
 30種以上の桜が植樹されている。まず2月中旬、「河津桜」から始まり、下旬に「大漁桜」、3月は「大寒」「寒緋(かんひ)」「陽光」「オカメ」「紅豊」「寒咲大島」「八重紅大島」「神代曙(じんだいあけぼの)」「陽春」「小松乙女」「仙台屋」「染井吉野」「手弱女(たおやめ)」「思川」、4月は「花笠」「天の川」「紅華」と続く見事なものである。
 2月から4月まで桜、桜、桜…。いつ行っても桜の花が待っている。美しい、さあ行こう、心のやすらぎを求めに。
 2004年2月22日、1630本を植樹。当日は雨上がり、約千人の皆さまがおのおのの願いを込めて植え、それから20年近く、害虫駆除、ウサギやシカ、モグラ退治、草刈り等に心を込めて、わが子のように愛情を注ぎ育ててきたという。
 桜の持つ美しさに加え、心血を注いできた皆さまの美しい心が浸透し、さらに輝くであろう。

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