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2022.03.08 08:45

「久しぶりっ」「まだ警戒」夜の街そろり再開、高知県内まん延防止解除

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アルコール提供時間の制限が解けた「ひろめ市場」に入る客(午後7時半ごろ、高知市帯屋町2丁目=森本敦士撮影)

アルコール提供時間の制限が解けた「ひろめ市場」に入る客(午後7時半ごろ、高知市帯屋町2丁目=森本敦士撮影)

スナックで、久しぶりの「外飲み」を楽しむ客ら(午後8時ごろ、四万十市内)

スナックで、久しぶりの「外飲み」を楽しむ客ら(午後8時ごろ、四万十市内)

 高知県内全域に出されていた新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」が7日、約3週間ぶりに解除された。県は飲食店への営業時間短縮や酒類提供停止の要請を終了したが、なお100人超の感染者が続いており「会食は4人以下、2時間以内」を呼び掛ける。そろりと再開した夜の街では「久しぶりに飲める」という解放感と、「まだ気が抜けない」という警戒心が入り交じった。

 午後6時すぎ。高知市中心部の繁華街では「時短営業」の張り紙をはがす店主の姿があった。「ひろめ市場」は、ほろ酔い客で既にほぼ満席。路地の飲み屋街では、カウンター席や個室が「外飲み」を楽しむ人で徐々に埋まっていった。

 「まん防」中、高知市では要請された午後8~9時まで開ける店もあれば、鮮魚が売りの店などは食材ロスへの懸念から休業を選んだ所も。

 同市中心部にある居酒屋の男性店主(40)は「要請の少し前から閑散。ほぼ1カ月間、まともに営業できなかった。感染が続き、お客さんはまだ様子見の状態。どれだけ来てくれるか、本当に先が読めない」。

 「街が明るくなったね」とは運転代行業の男性。「今日は予約が4組入った。昨日までとは雰囲気が違う」と期待の表情を浮かべた一方、客待ちの70代のタクシー運転手の男性は「休んでも収入にならず、乗り続けてきたが、収入は半減。もう慣れたけど、不安が大きい」とため息をついた。

 県内は、感染力の強いオミクロン株の影響で1月下旬から感染が急拡大。2月12日からの「まん防」では、県全域に時短要請が出されていた。

 四万十市でスナックを営む70代女性は「店が大好き。閉めてからはストレスで大変やった」。休業中も毎日店に出て風を通し、3日前から瓶ビールをいっぱい冷やして再開に備えてきた。

 7日は常連にせかされ、通常より1時間早い午後6時に開店。ボックス席に陣取った男性客は「久しぶりっ!」「ここで飲みたかったぁ」。笑顔でグラスを傾け合った。

 人口当たりのスナック軒数が県内最多の安芸郡奈半利町は「まん防」中、ほとんどの店が完全休業していた。7日は奈半利駅近くの「絵梨花」も久しぶりに店を開け、午後9時までに常連客1人が訪れた。

 経営する野中みどりさん(69)は「みんなで飲んで、思いっきり歌える日はまだ先だと思う。でも、今日はその第一歩」と静かに話した。(本紙取材班)

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