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2022.03.08 08:00

小社会 十津川警部

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 日本で最も知られた名刑事といえばこの人だろうか。トラベルミステリー作家、西村京太郎さんが世に送り出した「十津川警部」。テレビの2時間ドラマでもおなじみだ。

 全国の鉄道を舞台に時刻表トリックに挑み、殺人事件を解決していく。警部は高知もたびたび訪れている。「四国の春は、お遍路の姿で始まる。菜の花が風にゆれるその向こうを、菅笠(すげがさ)姿のお遍路が歩いて行くのは、一つの絵である」

 1983年の「四国連絡特急殺人事件」は、こんな風情ある表現で始まる。40年以上も続いてきた十津川警部シリーズ。推理小説なので血なまぐさい場面は避けられないが、四季折々の地方が描かれ、作品の魅力になってきた。

 西村さんが亡くなった。600作以上あるという著作の中で、多くを占めるのがこのシリーズだ。量産ぶりを冷ややかに見る向きがなかったとはいえない。ただ、これほど地方に焦点を当てた推理小説作家はいただろうか。

 障害者を取り巻く問題や薬害、戦争が絡む作品もある。文芸評論家の縄田一男さんがかつて本紙寄稿で、十津川警部が時折、警察官としてより人間的な怒りを見せる点に触れている。「作品の根底にあるささやかな正義感を私はこよなく愛する」とした。

 地方やローカル鉄道が衰退する中で、シリーズを継続してきたのも作者なりのこだわりに違いない。長い旅を終えた西村さん、十津川警部の労をねぎらいたい。


3月8日のこよみ。
旧暦の2月6日に当たります。かのえ さる 三碧 先勝。
日の出は6時26分、日の入りは18時08分。
月の出は9時30分、月の入りは23時37分、月齢は5.4です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で2時43分、潮位55センチと、15時26分、潮位30センチです。
満潮は8時47分、潮位152センチと、21時44分、潮位128センチです。

3月9日のこよみ。
旧暦の2月7日に当たります。かのと とり 四緑 友引。
日の出は6時25分、日の入りは18時09分。
月の出は10時04分、月齢は6.4です。
潮は小潮で、干潮は高知港標準で3時07分、潮位71センチと、16時09分、潮位37センチです。
満潮は9時08分、潮位144センチと、22時40分、潮位115センチです。

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