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2022.03.04 08:00

小社会 旅立ちの季節

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 まじめな学生ではなかったせいか、卒業式で何を歌ったか記憶がない。定番ならば「仰げば尊し」「蛍の光」あたりか。有本真紀さん著「卒業式の歴史学」には、海援隊の「贈る言葉」が登場したころから選ばれる曲が多様化したとある。

 好きな卒業ソングの調査の類いをみると、いつも上位にいるのがレミオロメンの「3月9日」。おじさん世代が分かるのはこのあたりまで。実はこの曲、作詞した藤巻亮太さんが友人の結婚を祝って書いたのだという。

 〈♪瞳を閉じればあなたが/まぶたのうらにいることで/どれほど強くなれたでしょう〉。大切な人への感謝が、多感な時期を共にした友や家族、恩師とも重なる。弥生三月はやはり感謝と祝福、旅立ちの季節になる。

 過日の本紙が、県内公立高校の卒業式を報じていた。コロナ対策で校歌斉唱は取りやめたという。この世代は修学旅行や体育祭、部活動なども大きく制約されたことに思いをはせる。

 このところ本紙「声ひろば」欄に載る高校3年生の投稿に目が行く。「できることならコロナウイルスのない時代にもう一度、高校3年間を過ごしてみたい」の一節に胸が痛む。「いろいろあった高校生活だったが、これからもプラス思考で」の文章には頼もしさがある。

 世界をみても、コロナ禍に理不尽な戦禍が重なる春。不安なのは大人も同じことかもしれない。逆境を経験した卒業生に、強くあることを望む。


3月4日のこよみ。
旧暦の2月2日に当たります。ひのえ たつ 八白 先負。
日の出は6時31分、日の入りは18時05分。
月の出は7時35分、月の入りは19時38分、月齢は1.4です。
潮は大潮で、干潮は高知港標準で0時57分、潮位-7センチと、13時10分、潮位31センチです。
満潮は7時19分、潮位171センチと、19時08分、潮位173センチです。

3月5日のこよみ。
旧暦の2月3日に当たります。ひのと み 九紫 仏滅。
日の出は6時30分、日の入りは18時05分。
月の出は8時03分、月の入りは20時39分、月齢は2.4です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で1時28分、潮位6センチと、13時43分、潮位26センチです。
満潮は7時43分、潮位168センチと、19時46分、潮位166センチです。

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