2024年 05月04日(土)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

2022.02.23 08:40

須崎の朝は早く、おいしい ショップたけざき、JA直販所、食堂…日の出前からあちこち開店 高知県須崎市

SHARE

午前4時すぎ、暗闇に浮かぶショップたけざきの明かり。おにぎりなどを買いに釣り客らが続々と訪れる(須崎市下分乙)

午前4時すぎ、暗闇に浮かぶショップたけざきの明かり。おにぎりなどを買いに釣り客らが続々と訪れる(須崎市下分乙)

 須崎市の朝は早い―。当地へ赴任した記者の実感だが、少なからぬ市民が同意してくれる。農業や漁業、高知市への通勤など、一日の動きだしが早い人が多いからだろうか。市内には日の出前から営業する店があちこちにあり、それぞれの朝を支えている。

 おにぎりや卵焼きの人気店「ショップたけざき」(下分乙)のシャッターは午前4時に上がる。と、既に駐車場に止まっていた車から男性が降り、足早に店に駆け込んだ。

 開店10分で5人が来店。仕事で宿毛市の沖の島へ行くという高知市の60代男性は「(午前7時片島発の)巡航船に乗るのでいつもここで買い込む。もう20年ぐらいそう」。別の地元男性はこれから漁に出ると言い、もう1人は趣味の釣りで四万十町へ行くと話した。

 竹崎直樹社長(50)によると、創業当時は午前6時開店だったが、釣り客らの要望で5時になり、4時になった。須崎以西に高速道路が延びて以降、長距離運転手の姿は減ったそう。それでも竹崎社長は「人手不足やスタッフの高齢化は厳しいが、自分が元気なうちは4時開店を続ける」と誓う。

 JA土佐くろしおの直販所「とさっ子広場」(大間本町)の開店は午前6時。まだ真っ暗な街にこうこうと明かりがともり、駐車場は買い物客の車で早くもいっぱいだ。

JA土佐くろしおの直販所に併設された食堂でモーニングと会話を楽しむ農家の女性ら(須崎市大間本町)

JA土佐くろしおの直販所に併設された食堂でモーニングと会話を楽しむ農家の女性ら(須崎市大間本町)

 同JAの松浦美和・販売課長(50)によると、6時開店は同業他店からも「早い」と言われるが、飲食店の食材購入など早朝の需要は十分あるそう。その上で「須崎は曜市(日曜と木曜)の文化があり昔から朝が早い」とも分析する。

 農家の女性らは野菜や総菜などを出荷した後、店内の食堂「とさっ子キッチン」へ。取材した日は15人がモーニングを食べながら談笑していた。岡田美知子さん(74)=多ノ郷乙=は「出荷したら一服。みんなと交流できるこの時間が楽しみ」と笑う。

 他市町村と比べ早朝営業の店は多いのか。確たるデータはなく分からずじまいだが、市民に聞き込むと、午前6時台からモーニングを提供する飲食店は少なくとも6店あった。5時に開くガソリンスタンドや6時のパン屋、7時の手芸店も。ちなみに須崎駅の高知駅方面始発は5時36分で、安芸(同57分)、土佐山田(同50分)、窪川(同56分)などより早い。

 やはり、きっと、須崎のまちは早起きだ。今朝もほら、明かりがともっている。(富尾和方)

高知のニュース 須崎市 経済・産業

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月