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2022.02.19 08:00

小社会 冴え返る

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 おとといの朝は高知市でも氷点下を記録し、ぐっと冷え込んだ。その日は高知市内で、がん検診の予約をしていた。会場で検査着に着替えていると、お隣の年配男性が「おーの冷やい」と連発していた。

 「冷やい」と何度叫ぼうと、寒さが和らぐわけではない。しかし気持ちは分かる。〈言うまいと思えどきょうの暑さかな〉という句があるがその逆バージョンだろう。

 立春を過ぎて暖かい日が続いたかと思ったら、強烈な〈余寒〉のぶり返し。余寒の文字は中国・杜甫の詩に記されているというから古い。それよりも、ことしの早春を表現しているのは、〈冴(さ)え返る〉という季題ではないか。

 正岡子規にある一句がある。〈立たんとす腰のつがひの冴え返る〉。子規の病名は脊椎(せきつい)カリエスで、〈つがひ〉は関節のこと。立とうとしても寒さが激痛を呼ぶ。寒くなったり、暖かくなったりする自然の理を、子規は淡々と潔く受け止めているようだ。

 子規ほどの境地には及ばずとも、〈冴え返る〉にはガツンとかつを入れられた気がする。りん然として背筋を伸ばしたいような空気が漂う。日本の政治、経済、社会は先行き不透明で、それは県内も同じだ。だが、へこたれてはいられない。

 きょうは二十四節気の一つ「雨水」。降る雪もやがて雨になり、寒さ暖かさが一進一退を繰り返しながら季節は確実に進む。心も体も冴え返りつつ、春本番に備えたい。


2月19日のこよみ。
旧暦の1月19日に当たります。みずのと う 四緑 先勝。
日の出は6時46分、日の入りは17時54分。
月の出は20時27分、月の入りは8時19分、月齢は17.9です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で1時30分、潮位-5センチと、13時42分、潮位38センチです。
満潮は7時52分、潮位165センチと、19時40分、潮位166センチです。

2月20日のこよみ。
旧暦の1月20日に当たります。きのえ たつ 五黄 友引。
日の出は6時45分、日の入りは17時54分。
月の出は21時29分、月の入りは8時48分、月齢は18.9です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で2時02分、潮位5センチと、14時18分、潮位33センチです。
満潮は8時18分、潮位164センチと、20時21分、潮位159センチです。

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