2022.02.16 08:45
アサヒビール四国工場(西条市)来年1月閉鎖 ビール離れで生産縮小、レストランも閉店
来年1月の操業終了が発表されたアサヒビール四国工場(愛媛県西条市=提供写真)
同社によると、同工場(敷地面積7万6千平方メートル)は大手ビールメーカーでは四国初の製造工場で、1998年に操業開始。四国4県と広島県向けに「スーパードライ」を中心としたビールや発泡酒の生産、出荷を担い、「よりフレッシュなビールを消費者に届けられる」と鮮度を売りにしてきた。
同工場でビールの製造工程を見学し、工場内のレストラン「アサヒビール園」でビールやジンギスカン料理を楽しむ人も多く、これまでに高知県からも含めて累計190万人が訪れた。
しかし、若者のビール離れや缶酎ハイ人気など消費の多様化を背景に、同工場の年間生産量は2004年の大瓶約1億7600万本をピークに年々減少し、2021年には約9460万本まで落ち込んだという。
同社は四国工場のほか、神奈川工場(神奈川県南足柄市)の操業を23年1月末に、ニッカウヰスキー西宮工場(兵庫県西宮市)を24年3月をめどに終了する。
四国工場の閉鎖後、四国分のビール類の生産は吹田工場(大阪府吹田市)に移す。四国工場の社員58人は異動させ、工場跡地の活用については売却を検討中としている。(久保俊典)