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2022.02.05 08:00

小社会 梅の春

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 立春のきのう、高知市天神町の潮江天満宮を訪ねた。同天満宮を代表する梅の季語が、この日を境に、冬の「探梅」から、春の「観梅」などに切り替わるからだ。寒さは変わらずとも、言葉の力で季節の移ろいを感じてみたかった。

 歳時記の解説などによると、万葉集にも梅の花の歌はあるが、色などを中心とした観賞だった。それが古今集の時代になると一転、その香りが歌われるようになった。梅の花は香気が高く、日本人の繊細な感受性を刺激したのだろうか。

 繊細といえば、「探梅」も負けていない。文芸評論家の山本健吉さんは、探梅は「梅探る」と詠んで、芭蕉が冬の季と定めたという。「早咲きの梅を尋ねる心である。ほころびはじめた梅の花を、日当たりのよい山すそなどに見つけて、春の趣を探るのである」

 〈探梅や枝のさきなる梅の花〉高野素十。梅の花を山野に探りに行くのだから、行き当たるとは限らない。この句の花は、さしのべた枝の先に一輪だけ咲いていたそうだ。

 きのうの天満宮の参道でも日当たりのよい場所にある梅の木が愛らしい花を咲かせていた。途中、10代半ばとおぼしき男女4人のグループとすれ違った。もとよりここは「学問の神様」とされる菅原道真を祭る神社だ。

 会社への帰途、あの有名な古句を思い出していた。〈梅一輪一輪ほどの暖かさ〉嵐雪。季節の歯車は、静かにではあるが、着実に前に回っていた。


2月5日のこよみ。
旧暦の1月5日に当たります。つちのと うし 八白 大安。
日の出は6時59分、日の入りは17時41分。
月の出は9時37分、月の入りは21時55分、月齢は3.9です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で2時28分、潮位5センチと、14時49分、潮位46センチです。
満潮は8時55分、潮位160センチと、20時40分、潮位151センチです。

2月6日のこよみ。
旧暦の1月6日に当たります。かのえ とら 九紫 赤口。
日の出は6時59分、日の入りは17時42分。
月の出は10時05分、月の入りは22時55分、月齢は4.9です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で2時57分、潮位24センチと、15時30分、潮位45センチです。
満潮は9時21分、潮位154センチと、21時23分、潮位136センチです。

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