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2012.01.09 08:00

高知県ロケ映画「桐島、部活やめるってよ」粘り強くカット重ね 主演の神木隆之介さんら1カ月の撮影終了  

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▲入念に 学校屋上で自主映画撮影の場面。入念にリハーサルを繰り返す。倒れ込むシーンのため、ウレタンマットの準備も(写真はいずれも高知市内の高校)

▲入念に 学校屋上で自主映画撮影の場面。入念にリハーサルを繰り返す。倒れ込むシーンのため、ウレタンマットの準備も(写真はいずれも高知市内の高校)

 
「みんな静かじゃん。もっとこの場面は声を出していこう!!」

 映画「パーマネント野ばら」などで知られる吉田大八監督の大声が現場に響く。「パーマネント―」に続いて本県ロケとなった新作「桐島、部活やめるってよ」の撮影が、高知市内の高校を中心に約1カ月間行われた。

▲主役 映画部員役の神木隆之介さんはクラスでは目立たないタイプの生徒を演じる。本番が近づくと自然とりりしい表情に

▲主役 映画部員役の神木隆之介さんはクラスでは目立たないタイプの生徒を演じる。本番が近づくと自然とりりしい表情に

 主演は子役時代から数々の映画、ドラマに出演している神木隆之介さん。近年はジブリ映画で声優も務めるなど、活動の幅が広がっている注目の俳優だ。原作は早稲田大の現役学生作家、朝井リョウさんの小説。登場人物はほとんど高校生で、友人関係の変化や機微を繊細に描き出す。

 神木さんは映画部員の役どころ。目立たないが自主映画撮影には情熱を傾けるキャラクターだ。この日は、神木さん自身がカメラを構えてホラー映画を撮る場面を中心に撮影が進行した。20人近い高校生役の俳優が立ち回るシーンだ。

 カメラテストが終わるやいなや、吉田監督は出演者の元へ。「もっと驚いて。怖がって」。丁寧に演技プランを説明した上で「はい本番」。カットを重ねていく。粘り強い撮影だ。時には太陽を待ち、北風がやむのも待つ。日が沈むのが早い季節。時間が限られているだけに、スタッフも迅速に準備する。

▲「ポーズ」 出演者はほぼ同年代。撮影の合間には、カチンコを持って「はいポーズ」

▲「ポーズ」 出演者はほぼ同年代。撮影の合間には、カチンコを持って「はいポーズ」

 神木さんは吉田監督について「コミュニケーションを逐一取るので分かりやすい」と絶賛。「とある街の設定だけど、ほんの少し高知の空気感が出せれば」と続けた。

 吉田監督は「地方都市が舞台で、なんかどこかで見た風景になればと思う」と作品の叙情性を示唆。今どきの高校生の純粋な感情が先立つ佳作になりそうだ。8月公開予定。(写真・石丸静香 文・西森征司)

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