2022.01.30 08:40
ガールズケイリン、夢は高知でV!横山愛海さん(高知市)10年ぶり県内から競輪選手養成所に
プロへの第一歩をスタートさせる横山愛海さん。来年3月の卒業まで、自転車漬けの日々が続く(高知市のりょうまスタジアム)
競技を始めたのは高知工業高2年時。それまで運動部経験はゼロだったが、偶然見たツイッターで「同じ学校の選手が走っている写真があった。かっこよかった」。春に入部してマネジャーとなった。ただ「走りたい気持ちが抑えきれなくなり」、秋には選手転向。コーチを務める元競輪選手、山本剛さん(60)=同市福井町=らの指導で鍛えた。全国高校総体出場は逃し、次はプロとして「大舞台で走る」と心に決めた。
高校卒業後の2020年10月、選手養成所(旧日本競輪学校)試験に初挑戦。1次試験は200メートル、500メートルのタイム計測だったが、受験した37人中上位21人に入れなかった。2次試験に進めず「これじゃいかんと痛感した」。
山本さんの指導でみっちり鍛え直した。安芸郡東洋町などロードに出て1日150キロを走ったり体幹や脚力、上半身を強化したり。心が折れそうな時は「ガールズケイリン」の動画を見て、発奮した。
2度目の挑戦となった、昨年10月の1次試験。無我夢中でペダルを踏んだ。500メートルのタイム計測では、いつもスピードが落ちる残り100メートルから粘りを見せた。何が何でも受かりたい。その執念が脚を動かし、見事に1次を突破した。2次試験の作文などもクリアし、今年1月に合格の報が届いた。
「一生懸命練習する子。運動経験がなくても、頑張ればできると示してくれた」と山本さん。今も5月の入学に向けて、ロードやトラックで自転車を走らせるなど、二人三脚で練習に励んでいる。
横山さんが女子競輪選手となれば、本県では3人目。高校の先輩で通算400勝を達成した山原さくらさん以来のプロとなる。
山原さんとは連絡を取り合う関係で、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で合格を報告。「ここからがスタートだね。いっぱい練習して力を付けてね」と励まされた。「まずは卒業できるよう頑張りたい。山原さんのように強い選手になりたい」と横山さん。挑戦は続く。(村上和陽)