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2022.01.26 08:33

坂本龍馬の愛刀「吉行」などの押形を確認 北海道・室蘭で4振り、大正時代に記録

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北海道で確認された龍馬の刀の押形。「吉行」=右端=と「勝光宗光」

北海道で確認された龍馬の刀の押形。「吉行」=右端=と「勝光宗光」

 幕末の志士、坂本龍馬が所持した刀4振りを大正時代に記録した押形(おしがた)がこのほど、北海道室蘭市の日本製鋼所瑞泉鍛刀所で確認された。近江屋で暗殺された際に龍馬が携えていた「吉行」など、1913(大正2)年の釧路の大火で焼けた刀の修理前の姿を記録した史料として注目されている。

 押形は、墨などで刀の刃文や形を紙に写し取ったもので、龍馬の刀の押形が確認されたのは初めて。当時の同鍛刀所の刀工・堀井俊秀が集めた押形集の中に含まれていた。

 押形が取られたのは、京都国立博物館所蔵の「吉行」と「埋忠明寿(うめただみょうじゅ)」、県立坂本龍馬記念館所蔵の「勝光宗光(かつみつむねみつ)」、銘が判読できず現在では所在の分からない刀の4振り。いずれも北海道に移住した龍馬の親族に伝わった刀で、24(大正13)年に札幌で開かれた刀工らの集まりに親族が持ち込み、堀井が押形を取ったとみられる。

「埋忠明寿」の押形

「埋忠明寿」の押形

銘が判読できない龍馬の刀の押形

銘が判読できない龍馬の刀の押形

 「吉行」には「焼身(やけみ)」と注記があり、押形は茎(なかご)の部分のみで、火災による損傷が他の刀よりも激しかったことが分かる。被災した刀は後に研ぎ直されて形が変わり、29(昭和4)年に東京で開かれた維新志士の展覧会で展示された。

 同記念館の前田由紀枝学芸課長は「親族は、被災した龍馬の刀の状態を気にして、刀の専門家に相談していたのではないか」と話している。(楠瀬慶太)

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