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2022.01.13 08:34

もちふわ寅ちゃん 「魚信」多き年に!―魚信 はっぴぃ魚ッチ

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「寅ちゃん、今年は釣らせてよ!」。外道だがうまいトラギス

「寅ちゃん、今年は釣らせてよ!」。外道だがうまいトラギス

 初釣りに、土佐湾に出た。ロケットスタートを切って、今年こそ釣り運を引き寄せたい―。そう意気込んで大物根魚を狙ったものの、結果はウッカリカサゴ1匹。

 「うっかり1匹」とは不吉な…。数日後、今度はカワハギを狙う。薄造りをこってり肝じょうゆで味わい、仕切り直そうではないか。寒風吹きすさぶ中、高知市の乗合船「ロマン3号」は、龍馬像が見下ろす桂浜沖に浮かんだ。

 この釣りは、“餌取り名人”が発する微妙な信号、つまり魚信(あたり)を捉えられるかどうかに尽きる。「カワハギは水中で“ホバリング”できる。だから針に掛からず餌を食べてしまう」と同行のベテラン。的確に合わせ、おちょぼ口に針を掛けなければならない。

カワハギを誘う仏具のような釣り具。本命も数匹釣れた

カワハギを誘う仏具のような釣り具。本命も数匹釣れた

 仕掛けも独特。枝針に餌のアサリを付けるシンプルなものだが、好奇心の強いカワハギを引き寄せるため、カラフルなぼんぼんや反射板を付けるのだ。記者は、カラカラと鳴るルアーのような飾りと、アサリの殻と金色ビーズを合わせた仏具のような品でごてごてと飾り付けた。

 船長の合図とともに、夢と希望を乗せて第1投。異常なっし。第2投、第3投…。あれ?

 「魚信がない? それとも、あるのに分からない?」。記者が首をかしげる背後で、家族連れがぽつぽつと釣り、「ええ型や!」などと盛り上がる。外道も釣れているらしい。

 「また、トラちゃんやぁ」

 と、トラちゃん?

 聞くと、トラギスのこと。赤茶色のボディーに紫のライン。顎の下に白黒のぶち模様。とぼけた顔がちょっとかわいい。

 「天ぷらにするとうまいらしいよ」と男性。そう言いながら、海にぽいっと返している。高級魚カワハギを狙う人にとっては外道らしい。

 「いただけます?」

 カワハギを見限った…いや、見限られたことを悟った記者は、速やかに「おかず確保」へとシフト。今年は寅(とら)年。「寅ちゃん」なんて縁起が良いではないか。記者のクーラーボックスには、寅ちゃんが次々と放り込まれていった。

食感も抜群のトラギスの天ぷら

食感も抜群のトラギスの天ぷら

 その晩。いぶかる娘(8)が揚げたての天ぷらをかじるなり、「んま! もちふわ~」。こちらも塩を振って口に放り込む。確かに。シロギスのような上品な白身に軽い歯ごたえ。「さくっ、ふわ、もち」である。新年早々、外道を味わうという釣りの醍醐味(だいごみ)をかみしめた。

 さて、魚信班には早くも多彩な初釣りの知らせが届いている。「磯でコッパグレに遊ばれた」「漁港で良型カマスが連発」「遠征でヒラマサの自己記録達成」―など。

 大漁を。何より安全を。皆さんの竿(さお)に、魚信多き年となりますよう!(高知新聞・ハチ)

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