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2021.12.19 08:00

小社会 戦争と音楽

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 年末になると、どこからともなくベートーベンの交響楽「第九」が流れてくる。昨年、生誕250年を迎えた「楽聖」と仰がれる作曲家の、「歓喜の歌」が日本人は大好きだ。

 「ベルリンの壁」崩壊の約3年後、旧西ドイツの首都ボンを訪ねた。小さな田舎町の駅近くの広場に、この町に生まれたベートーベンの像がある。音楽の都ウィーンに向かう前の青年時代。困難を乗り越えようとする険しい表情の迫力に圧倒された。

 「第九」が日本に定着したのは第1次世界大戦中のドイツ兵捕虜が、徳島県鳴門市の収容所でアジア初の演奏をしたことがきっかけという。今や同市だけでなく、日本中のアマチュアを含むオーケストラによって、歳晩の風物詩に成長した。

 戦争のさなかでも音楽の力はすごいらしい。第2次大戦では、ドイツ生まれのマレーネ・ディートリヒが歌った「リリー・マルレーン」は連合国軍兵士の間でも流行した。戦場から故郷の恋人を思う歌。「敵味方を超えた厭戦(えんせん)歌として、兵士たちをなぐさめた」(半藤一利「21世紀への伝言」)。

 話を前に戻せば、今月、大阪市で行われている「1万人の第九」が、規模を縮小して行われたという。昨年に続いて合唱団は参加を断念。歌唱の動画を会場に流してなんとかしのいだそうだ。

 まだまだ出口の見えないコロナの影がある。人道と融和のすばらしさを思い切りたたえる「歓喜の歌」を早く聞きたい。


12月19日のこよみ。
旧暦の11月16日に当たります。かのと うし 五黄 友引。
日の出は7時05分、日の入りは17時01分。
月の出は16時56分、月の入りは7時01分、月齢は14.8です。
潮は大潮で、満潮は高知港標準で6時36分、潮位163センチと、17時33分、潮位165センチです。
干潮は12時03分、潮位83センチです。

12月20日のこよみ。
旧暦の11月17日に当たります。みずのえ とら 四緑 先負。
日の出は7時05分、日の入りは17時01分。
月の出は17時45分、月の入りは7時55分、月齢は15.8です。
潮は大潮で、干潮は高知港標準で0時22分、潮位-1センチと、12時34分、潮位84センチです。
満潮は7時09分、潮位164センチと、18時03分、潮位165センチです。

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