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2021.12.11 08:25

どうする?桂浜 現在過去未来 第3部(3)「100周年も桂浜で」桂浜水族館館長 秋沢志名さん(49)

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桂浜水族館の公式キャラクター「おとどちゃん」と秋沢志名館長(高知市浦戸)

桂浜水族館の公式キャラクター「おとどちゃん」と秋沢志名館長(高知市浦戸)


 高知市の桂浜水族館は今年、90周年を迎えた。21万人がツイッターでフォローする公式キャラクター「おとどちゃん」を生み出すなど、独特のセンスとアイデアで「ハマスイ」の名を全国区に押し上げてきた。その立役者で、7代目館長の秋沢志名さん(49)は「もっと県民に身近な桂浜に戻さないかん」という。

 ―桂浜で90年。

 「初代館長は底引き網漁の網元。1931年に『地元の子に高知の魚を見せちゃお』と浜の東側に造った。当時は釣り堀とプールだけ。52年、博物館法に基づく博物館となり、84年に現在地へ移ってきた」

 ―昭和の雰囲気が漂う人気施設に育った。

 「今の施設になって35年。水漏れとか、マイナスだらけ。それをプラスに変えてきた。SNS(会員制交流サイト)の露出のほか、手作り感あふれる展示にこだわっている」

 「珍しい生き物はおらんし、迫力ある大きな水槽もない。うちの売りは『人』。人と生き物の密な関わり、情の深さをおとどちゃんが全国に届けている。生き物の死も裏方の仕事も、人間味を見せることで『唯一無二のハマスイ』を応援してくる人が増えた」

 ―再整備が進む桂浜の現状をどう見る。

 「県外客から『飲食店がない』『駐車代400円は高い』とよく言われる。でも、全国の観光地には駐車代が千円を超える場所もある。桂浜には、400円払う価値がないと思われている。再整備で桂浜の景色を見ながら食べられる商品、飲食店ができたらいいな」

 「地元の県民が気軽に来られる観光地にすべきだ。県外客が旅行先を選ぶ時に参考にするのは、SNSに書き込まれている地元の声。一昔前、二昔前に、遠足やお月見でにぎわったように、もっと地元の人が身近に感じられる桂浜へと戻さないかん。過去には触れてはいけない暗いイメージもあったけど、それは若い世代に引き継ぎたくない」
 ―長期的な観光施策も問われている。

 「桂浜だけが盛り上がっても駄目。高知市全体の体験型観光をてこ入れしないと。桂浜なら浦戸湾を活用できる。新しい指定管理者がそういう面にたけていれば、周辺も一緒に盛り上がる。高齢化が進んでいるけど、若者を巻き込んで活性化につなげてほしい」

 「今後、指定管理者がいろいろ改革を進めると思う。一緒に桂浜を良くしていきたい。指定管理者と県立坂本龍馬記念館、(再開後の)桂浜荘と連携して桂浜を全国へアピールしたい」

 ―ハマスイの未来をどう描くか。

 「桂浜の美しい自然景観を守って100周年を迎えたい。施設はマイナスだらけだけど、前例にとらわれないやり方でプラスに変えていく。生き物に近く、スタッフとも近く、他にない水族館づくりを進めるのがスタッフ全員の目標。商業的な部分のほか、教育施設としての役割も大切にしていきたい」(報道部・高井美咲)

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